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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『夏の幻想 33』

a0004070_16304984.jpg おじいちゃんの家は
人里離れた山奥
今年はスイカが豊作で
畑の上
今にも腐りそうなほど
スイカがゴロゴロしていた
水場には
スイカが4つも冷やしてあった
冷やしてあると言うよりは
特別大きなものを
そのまま放置しているような感じだった
八百屋のスイカのように
形の整ったものは
あまりなかった
もともとおじいちゃんが趣味で
畑に植えたものだった
朝からスイカばかり
飽きるほど食べても
数が減る様子は
全く感じられなかった
真っ赤に実ったトマトを
枝からもいでは
水場の水で簡単に洗って
食べるのが好きだった
おじいちゃんの畑には
野菜と一緒に
夢がたくさん実っていた
おびただしいスイカの影に
真っ赤に実って落ちそうなトマトの隙間に
胡瓜のように大きく実ったオクラの先っぽ
そこにもこゝにも
夢がいっぱい実っていた
暑い夏から逃げるように
水場で野菜を洗っていると
夕立の臭いが一瞬にして漂い
膨張するように暑くなった畑は
一気に冷やされ始めた
軒下でトマトをかじりながら
低くたれ込めた雲を眺めるのが好きだった
暑かったあの夏の
ほろ苦いトマトの味が
今日は口の中に
蘇ってくるようだ
by fibich | 2004-08-22 16:29 | | Comments(0)

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