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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『電機屋』

ダイニングに欠けたエアコンに会うため
近くの電機屋に行ってみると
そこには花のように咲いていた扇風機が
跡形もなく消えていた

プロペラの花はどこへ行った
おびたゞしい数のテレビやディスプレイは
ちゃんとその場にあったのに
エアコンに会うために来たのに扇風機が気にかゝる

隅っこで固まる洗濯機のコーラス
背くらべに飽きたらぬ冷蔵庫のシュプレヒコール
そしてマッサージチェアから這い出られない人々

花が無くなった電機屋の粗暴な風景は
21世紀消費絶対主義を賞賛しながら
午後9時の閉店まで幻想社会を築き続けていた


by fibich | 2004-08-12 22:20 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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