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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

離任式

このブログでも何度となく書いてきたが、僕はこれまで働いていた学習塾を突然解雇されて今の仕事に就いている。前年度から今の仕事を続けているが、立場は臨時的任用というものなので任期は1年。前年度勤めていた職場も任期終了。その前に今年度の職場が決まったので仕事そのものは変わっていない。と言うか今年度はもっと大変なことになっている。これについてはまたそのうち書こう。

横浜市では退任、離任する教員を送る「離退任式」というものがある。この日は新しい職場に就任した職員もみんな以前の職場へ行きこの式に参加する。とは言っても市外、県外へと転職した人はなかなかやって来られない。

僕のように急遽決定し、1年だけの任期で働いた人間だってちゃんと離任者として扱ってくれ、丁寧に送り出してもらえるのだからこれには感激だ。他の離任者、退任者と同席に招いてもらい、他の人たちと同じように労いの言葉をいただき、お別れの言葉を壇上から在校生に対して贈る。そして最後は花道を吹奏楽部の演奏で送ってもらう。生徒会やPTAから花束もいただく。こんなに大切に送り出してもらえる。

こうして僕は今日1年勤めた職場にお別れを告げることができた。ちょっとだけ大人になった受け持ちの生徒達とも最後のお別れをすることができた。仕事を辞めるに当たってこれだけりっぱに送り出してもらえたのは職員全員が退任となったかつての職場の定時制高校の閉校式以来のことでもある。






それに比べるとここからはまた愚痴のようになるが、以前勤めていた塾はあまりにひどすぎる。まるで機械を捨てるかのように人を切り、労いの言葉も花束もない。さらに突然いなくなる講師は他の教室に異動になったと子供たちにウソを言うよう全社に通達がある。こんな失礼なことはないだろう。なので僕は僕のネットワークを使って当時配属されていた教室の卒業生経由で洗いざらいすべてできるだけ多くの子供たちに伝えてくれと頼み、結果としてかなり多くの子供たちに現状が知れ渡ったことを後で知った。

あれから1年。いまだに腹立たしく思う。数字ばかりを追って子供を食い物にし、まともな授業よりも生徒数を増やすことにばかり目を向ける。まさに「慳貪」という言葉がピッタリだ。名前こそ書かないが現在の職場では数多い学習塾の中でも最も評判が悪く、特に進路指導の邪魔をすることでは名高い。学校が適切な進路指導を行い志望校を選出しても、自分たちの都合の良い私立高校の受験を勧め、合格すればさも自分たちは優秀だと言わんばかりに数字をアピールする。不合格すればお前が悪いと責任逃れをする。学校の立場から見ればこれだけ迷惑な存在はない。生徒のことなどこれっぽっちも考えてない。全ては自分たちの利益のことしか考えていない。

生徒を集めて授業をするのであればそれなりの教材を用意しなければならないのに、独自に用意してある教材はかれこれ10年以上は同じもの。学習指導要綱が改訂されて授業内容が変わったって教材は変わらない。教えることなど2の次だ。研修もあるにはあるがやっぱり学校レベルで見ればただの授業ごっこみたいなものだ。粗末な教材、粗末な設備。塾がどこもそうだとは言わないが少なくとも僕が勤めていた学習塾はそんな程度のものだ。そんな劣悪な環境に言葉巧みに誘い入れ、子供をセールスマンに仕立て上げ、授業無料体験などといったエサと一緒にして新たな入塾生を増やしていく。そのぶん授業料はしっかり取るが各教室が充実されるわけではない。

この学習塾に勤めていたとき、そういった金儲け主義の道具にされるのは嫌で授業には力を入れたが行き過ぎたセールスには非協力的だった。それで目をつけられたのか、不当な解雇になった。今となっては解雇になって本当に良かったと思うのだが、それでもあの劣悪な現状を広く世に伝えなければ気が済まない。去年も多少保護者の方々には伝えてきたが、今年はもっとしっかりと学習塾の一部には金儲けしか考えていないところもあるのだと諭し、塾を選ぶときは慎重になってほしいと伝えるつもりだ。
by fibich | 2008-04-09 00:15 | 日常の話

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by 遊羽(なめタン)
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