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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

遍路日記2007(44)

8月8日 七十六番金倉寺~琴平

善通寺を出発したのが四時前のこと。残り1時間で七十七番道隆寺を目標に寺を打ち続ける事に決めた。善通寺の駐車場を出ると善通寺の町中を通りJR土讃線の線路を渡って国道319号線に出る。国道を北上するとしばらくして金倉寺方面の案内標識があるのでそこを右折。金倉寺は善通寺からそれほど離れてもおらず約4.5キロほどの距離。

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七十六番札所金倉寺


境内の横に大きな駐車場があり、ミニ八十八カ所の横あたりにバイクを駐める。山門へはちょっと回って入るような感じ。山門から中にはいると正面奥に本堂が見える。その手前に水屋があり、本堂左脇に大師堂がある。本尊は薬師如来。時間も四時を回り陽もちょっと傾きかけている時刻だ。境内には僕以外に遍路もおらず、ひとつ隣の善通寺とは趣が大違い。僕はどちらかと言えば小さくとも静かで手が行き届いている寺の境内の方が好きである。

御朱印をいただくと金倉寺を早々に出発。次の七十七番道隆寺へ向かう。国道三百十九号線に戻るとそのまま北上し多度津まで走る。道を直進すると国道は319号はいつの間にか県道25号線になっていて、そのまま県道を走り多度津駅前を通るとすぐ近くまで出ることができる。

七十七番道隆寺は眼病に良いという言い伝えがあり、目直し薬師というものがある。そんなわけであまり目が良くない僕は去年ここでお札を買った。このお札の他に自分の都市の数だけ「め」の字を書いてそれを納めることで目直しの祈祷もしてもらえる。八十八カ所中ただ一カ所お札を買い求めているのがこの道隆寺でもある。今回はこの寺が打ち止め寺になったのだが、時間が遅すぎて目直し薬師を拝むことはできなかった。

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七十七番札所道隆寺本堂



多度津の駅を右手に大きな道路に出るとすぐに道隆寺が右手に見える。角の狭いスペースにバイクを駐め、裏門から中にはいる。時間はそろそろ5時というのに日差しはまだまだ強い。中にはいるとすぐに本堂裏へ出る。境内を一度突っ切って山門まで出て入り直す。正面に本堂があり、その右側に大師堂がある。本尊は薬師如来。大師堂の向かいには水屋と納経所があり、お札はここで買い求める。本堂から裏門へ向かうところに目直し薬師がある。

この寺の水屋の横には冷却水サーバーがあっていつでも冷たい水が飲めるのが嬉しい。こういったお寺は他にも数カ所あるのだが、水が冷たいのはありがたいものである。納経所で御朱印をいただくついでに目直し祈願の申し込みをしてお札もいただいた。全て終わるとちょうど5時、この日の巡礼は静かに終わった。境内には終始僕以外の遍路はいなかった。

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七十七番道隆寺の目治し祈願



傾いた夕陽の中で一度山門から境内を離れ、再び中に入って裏門へ抜けて行った。今日は宿泊日、この日の宿は善通寺でも良かったのだが琴平まで行った方が宿が確保できそうだと思い、多度津から一気に琴平までバイクを走らせる。

琴平の町中にパークホテルというホテルがあり、去年は飛び込みで行ったら満室だったのを思い出した。多度津から一気に琴平まで。距離にして15キロくらいだと思う。パークホテルは目立つところにある目立つホテルなので迷わずに行くことができた。

部屋の空きはあるかと訊ねるとあるとのことで即チェックイン。まずは荷物を解き部屋に運ぶとすぐにこのホテルご自慢の展望風呂に入る。このホテルの最上階はガラス張りの展望風呂、遠くまで見渡せる絶景は素晴らしいのひと言。ガラス張りだけどきっと特殊ガラスでできているのだろうとその時はあまり気にせず風呂に入り夕暮れの風景に見入っていた。まさに天国だ。遍路の一日は寺が開いている時が勝負。バイクや車など一日で幾つも打てる遍路は朝7時から夕方5時までの10時間は休む間もなく寺を打ち続ける。そりゃもっと時間にゆとりがあればそんなこともしない。一日に13ヵ寺も打つなんてクレイジーだ。そんなハードな一日を過ごし、強い日差しに晒されて汗まみれになっても夕方ちゃんと風呂に入れれば全てはチャラにしてもいいのである。

たまっていた洗濯物も全部洗って辺りがすっかり暗くなってから近くのファミレスまで行ってお札書きをした。去年も同じファミレスでお札書きをしている。琴平の町外れにあるジョイフル琴平店である。ここでしっかり食事もし、特に野菜を中心にお腹いっぱい食べるとホテルに戻る。ところがホテルが近づくと先ほどの展望風呂は外から丸見えと言うことに初めて気付いた。

その後部屋に戻ってエアコンのよく効いた部屋で一日の行程などを記録していたのだが、やがてテレビをつけるとごろ寝をして見始め、すぐにそのまま居眠り。これもまた幸せなのだろう。■
by fibich | 2007-12-11 03:08 | ライダー日記

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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