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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

遍路日記2007(8)

8月2日(二日目) 八番熊谷寺~六番安楽寺

四国では雨は馬の背を分けて降るなどと言われているくらいで、降っている場所と降っていない場所がハッキリするらしい。九番法輪寺を打ち終わるとちょっと雨に降られたのだが、それもすぐに止んでしまった。これは雨を降らせている雲がごく狭い範囲だけ雨を降らせながら東に移動していたからである。雲を追い越していけば雨は止む。しかし十一番から逆打ちをしているとまた雲に追いつかれて雨に降られるのだ。

九番法輪寺から八番熊谷寺までの距離は約2.5キロ。徳島自動車道をくぐった先ちょっと山の方面へと向かう。ここで去年の記憶を辿りながら進んだはずの道が間違いで、ちょっと遠回りをしてしまった。

駐車場にバイクを止めると早速追い越したはずの雨が降り始めた。熊谷寺は駐車場から参道を進み、階段を上がると山門が見えてくる。この門は実際は中門で、本当の仁王門は納経所よりもずっと手前にある。

門をくぐると正面に本堂がある。本尊は千手観音菩薩。この寺の特徴は大師堂が高いところにある。本堂の左手の石段を上がったところに大師堂がある。境内そのものはこぢんまりとしている印象を受ける。

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八番熊谷寺の山門


去年NHKで放送されていた「趣味悠々・初めてのお遍路」ではこの熊谷寺が紹介されていたが、その時は雨が降っていた。今回はそれと全く同じ雨の熊谷寺になり、ああこんな場面をテレビでも見たなと思いだしていた。ところが雨は次第に強くなり、番組ではこんなに土砂降りじゃなかったぞと思うくらいに。大師堂から出ることもできなくなり雨の弱まるのをただ大人しく待っていた。

雨足が少し弱まったのを見計らって納経所まで戻ると、ちょうど歩きらしき遍路が中に入ってきた。御朱印をもらって外に出るとさっきまでの土砂降りはすっかり止んでいた。

次の七番十楽寺までは4キロほどの道のり。県道139号線を東に向かう。この道路は徳山自動車道沿いを通っているのでそれほど迷うこともない。途中の案内標識に従って交差点を左折するとすぐに見えてくる。

この寺は去年は改装中で山門をくぐることができなかったが今年はすっかり立派になってしまって山門をくぐることもできた。ここでも到着したらすぐにと言うくらいに雨が降り始めてきた。山門から坂を上がると奥手に本堂がある。本尊は阿弥陀如来。そして本堂よりもさらに奥に大師堂がある。納経所は坂を上がってすぐの所だ。

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七番十楽寺の本堂


この日はどういう訳かお参りを始めると土砂降りになり、ここも例外ではなかった。早々にお参りを終えると雨がだいぶ本降りになってきたので追いつかれる前にと思って六番安楽寺へと向かった。

六番安楽寺までは1.5キロほどの距離。県道139号線を伝って行く。専用駐車場があるのだがそのままバイクで山門前まで行くことも可能。

六番は当初昨日の打ち止め予定にしていた寺なのだが、さすがに時間が足らずにたどり着くことはできなかった。宿坊も予約するつもりだったのだがどのような行程になるかわからず予約もできなかった。ちなみにこのお寺、山号は「温泉山」で温泉にでも入りたくなってくる。

ここでも到着して間もなく雨が降り始め、お参りもせわしない。山門をくぐると正面に本堂がある。本尊は薬師如来。そして本堂の右手に大師堂がある。お寺はいたって町寺の雰囲気なのだが、広々としている。宿坊もあってだいたい一番から打ち始めた人が最初に泊まる宿でもあるようだ。

山門まで戻ってそこで雨宿りをしながら次のことを考えていた。六番まで逆打ちしたら次は十二番の焼山寺である。焼山寺は歩きの人には遍路ころがしとして有名だが、歩きでなくても険しい山道を延々と走らされるのである。山に入ったら雨は必至だろうか、遠くの山に靄がかかっているのは靄ではなくあの部分だけ雨なのだろうとあれこれ想像していた。
ひとまず雨足が弱ったところを見計らって寺を後にする。携帯で見た天気予報は相変わらず雨が激しくなるとしか言っていなかった。■

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六番安楽寺の本堂


つづく
by fibich | 2007-09-02 01:24 | ライダー日記

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by 遊羽(なめタン)
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