2004年 03月 09日
【詩】『南風』
オンショアの風は季節通りに流れてきた
ほんの少し強めで 浜の砂を巻き上げたまゝ
温度に変化はなく ゆっくりと続いていた
そんな風が江ノ電の軌道を越えた辺りで 一気に上昇をはじめた
波にうねりのある今日は 海岸づたいにサーファーの影が浮かぶ
海岸線の上霧に包まれた江ノ島の影が 乳白色の縁に浮かび立つ
渚の風に身を預け 鳶は自由の空を滑り回る
あちらこちらで その鳴き声が潮騒に混じり届いてくる
眺望の色彩に感じる風に 定かでない方角だけを見つけ
今日もまた何も変わらぬこの海岸の一日は流れ行く
豹変のない南風は やゝ強く吹き付けてゆく
海を見ていました 白くかすんでちっとも青くはない
海のあるこの街から 遠い人のことを考えていました
吹き続ける風がやって来るその場所に きっといる人のことを
PHOTO:七里ヶ浜
ほんの少し強めで 浜の砂を巻き上げたまゝ
温度に変化はなく ゆっくりと続いていた
そんな風が江ノ電の軌道を越えた辺りで 一気に上昇をはじめた
波にうねりのある今日は 海岸づたいにサーファーの影が浮かぶ
海岸線の上霧に包まれた江ノ島の影が 乳白色の縁に浮かび立つ
渚の風に身を預け 鳶は自由の空を滑り回る
あちらこちらで その鳴き声が潮騒に混じり届いてくる
眺望の色彩に感じる風に 定かでない方角だけを見つけ
今日もまた何も変わらぬこの海岸の一日は流れ行く
豹変のない南風は やゝ強く吹き付けてゆく
海を見ていました 白くかすんでちっとも青くはない
海のあるこの街から 遠い人のことを考えていました
吹き続ける風がやって来るその場所に きっといる人のことを
by fibich
| 2004-03-09 03:03
| 詩