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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『南風』

オンショアの風は季節通りに流れてきた
ほんの少し強めで 浜の砂を巻き上げたまゝ
温度に変化はなく ゆっくりと続いていた
そんな風が江ノ電の軌道を越えた辺りで 一気に上昇をはじめた

波にうねりのある今日は 海岸づたいにサーファーの影が浮かぶ
海岸線の上霧に包まれた江ノ島の影が 乳白色の縁に浮かび立つ
渚の風に身を預け 鳶は自由の空を滑り回る
あちらこちらで その鳴き声が潮騒に混じり届いてくる
【詩】『南風』_a0004070_3252.jpg

眺望の色彩に感じる風に 定かでない方角だけを見つけ
今日もまた何も変わらぬこの海岸の一日は流れ行く
豹変のない南風は やゝ強く吹き付けてゆく

海を見ていました 白くかすんでちっとも青くはない
海のあるこの街から 遠い人のことを考えていました
吹き続ける風がやって来るその場所に きっといる人のことを

PHOTO:七里ヶ浜

by fibich | 2004-03-09 03:03 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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