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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

運河のギタリスト

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一昨年前の夏、北海道旅行をした時だった。
そろそろ北海道を去る頃になり、旭川の知人が小樽まで来るというので会う約束をした。その時僕にどうしても会わせたい人がいるといって紹介してもらったのがこの写真の人である。

彼の名前は浜田隆史、自費でCDも作っている。見ての通りのギタリストである。ストリートでギターを弾く人なんてのはいくらでもいる。僕だってこれからギター持って終電が終わった後の駅へ行けばストリートギタリストだ。ところが彼はそのあたりにいるギタリストとは訳が違う、それは彼の得意とするジャンルがラグタイムというちと耳慣れないものだからだ。

ラグタイムというのはアメリカでデキシーランド・ジャズが確立する前、まだクラシック色が強いもののクラシックとは言えないピアノの音楽だった。特徴は4拍子の2拍目と4拍目にアクセントがつくものだ。ひじょうに軽快で僕もラグタイムは大好きである。このラグタイムを経てピアノ以外の楽器なども合わさるようになり、ジャズが始まるのである。

ラグタイムの創始者はスコット・ジョプリン。知っている人は知っているし、知らない人でも彼の曲を一度は聴いているはず。映画「スティング」で使われた「エンターティナー」はあまりにも有名。その他にも名曲を数多く残している。

このラグタイムをピアノではなくギターでやる日本人なんてそうそういないのではないだろうか。

もっとも僕に彼を紹介してくれた友人もまたラグタイムなんてものはよくわかってはいないようだったし。会ったその時にラグ話が始まり、ジョプリン談義に花が咲くまでになった。この晩はたくさんのジョプリン作品を披露してくれ、ラグがわかる人に聴いてもらえてうれしいですとまで言われてしまって些か照れくさかった。

それから彼とは会っていないが、時折全国ツアーをするそうだし、大抵は(夏場だろうけど)小樽運河に行けば会えるらしい。また会ってジョプリンの話いろいろとしたいな。
by fibich | 2004-03-07 21:42 | ある日の話

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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