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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『人生の一部』

毎日川沿いを歩いていた頃から
もう一年が過ぎました
あの頃することもなく
夢も希望も生きている意味もなく
毎日を無駄に過ごし
こんな生活は耐えられないと
苦悩に明け暮れていたのに
時が流れゝば
そんなことでも思い出の一つになると
半ば懐かしい気分になって
思い返します

川沿いの雑草が
日に日に背を高くし
鳥たちの囀りの中
無心になって歩いていた
田んぼの色が色を濃くさせ
毎日同じ時間に
同じ人とすれ違っていた
そんな在り来たりの習慣が
もう一年も前のこと
それから今に至るまで
いろんな事があったこと
一つ一つ思い出しては
あんな苦しい日々でさえ
懐かしいと思うものです

忙しくなった今
これからも川沿いに出かけることは
ないでしょう
それでも川沿いで出会った
花 鳥の鳴き声 虫の声
それぞれ思い出しては
また懐かしいと
思うことがあるのでしょう

時は流れて
僕は変わりました
けれども心の中は
あの頃と全く変わっていないのかも知れません
自分の人生のほんの一部分でも
それが印象深ければ
後になって懐かしく感じるものなのでしょう
さらに時が流れ
僕がいつか
いなくなる時が来て
それらの思い出をみんな
連れ去って
後に何も残らない
そんな生き方がいいなと
時折思うことがあります
by fibich | 2004-06-09 22:51 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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