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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

九州(5)


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【2019年8月5日(月)】

 前日、おそらくコンビニから帰って来て一息付いている頃のことだと思うが、阿蘇山中岳が噴火して噴煙が1000メートル近くも吹き上がったらしい。もちろんそんなことは知らなかった。

 早朝5時にいつもの習慣で目が覚めてしまうのでわんこを早朝散歩に連れ出した。ペンション村の周辺を歩き回る程度で帰って来たのだが、後で思えばその程度にしておいてよかった。火山灰はわんこにも影響を与える。

 噴火の話を聞いたのは朝食どき、宿のオーナーから話を聞いた。火山灰も降って来ているというのでさっそく車を見ると確かに火山灰が降っていた。

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◆見た目一発でわかるほどの火山灰だった

 あまり火山灰というものに慣れていない地域に住んでいるが、火山灰がただの砂とは違うことくらいは知っていたので慌てて拭き取るということはしなかった。車を走らせれば自然に吹っ飛んでいく。どこかに溜まった場合だけ水で洗い流す、慌てて拭くのが一番悪い。というのも火山灰はいわばガラスの粉みたいなもので、ゴシゴシ拭けば確実にボディに傷がつく。朝方わんこを散歩させてしまったが、火山灰はそんな微粒子が鼻や口から体内に入り込むのだからわんこの体にも良いはずがない。

 朝食後支度も終わると記念撮影をして宿を出るが、オーナーさん親子がとにかくわんこを可愛がってくれてなんとも離れがたかった。この日はまず東へ進み高千穂に行くことにしていた。

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◆出発前に記念撮影


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◆母屋の前でも




◆全天球カメラ画像 ペンションあかね雲


 突然の火山灰は車を走らせれば大方解決はできたが、我が家にももう一つの懸念材料があった。それは徐々に九州に近づいてくる台風8号だった。すでに我が家を出発する前から温帯低気圧が発生しそうという天気予報は聞いていて気にはしていたがその通りに台風になり、しかも進路は九州なのでどうなるのだろうと気にはなっていた。もっとも気になるのはせっかく押さえたフェリーが欠航になってしまうことだった。

 フェリー会社のHPを見ると5日月曜日の便は神戸行きは予定通り運行、神戸発は欠航になっていたのでそれでは船体の確保ができないから欠航だと覚悟をしていた。ところがこの朝フェリー会社から確認メールがやって来た時には6日の便も運行という事が書かれていた。船体はどうするのかは疑問だったがこうしてご丁寧に連絡をくれるのだから6日の便は大丈夫なのだと安心して出発。

 南阿蘇から高千穂まではほぼ1時間。途中高森という街を通るがそれ以外には特に何もない。高千穂に入るとまずは道の駅に寄った。すると駐車場にすごいものがあった。

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◆道の駅高千穂 これは天宇受売尊(あめのうずめのみこと)

 いやこれ怖いよ、真夜中に知らずにやって来たら腰抜かすぞ。わんこと比べてもその大きさがわかると思う。天宇受売尊というのはこの地方の天岩戸の伝説に登場する神で、神楽を踊った神である。詳細は書かないが天岩戸もこの高千穂にあるのだが今回は時間もないので行けなかった。

 道の駅ではママがトイレの洗面台でコンタクトを流してしまうというハプニングもありなかなか出発できなかった(コンタクトは無事回収できた)ために当初予定に入れていた高千穂神社は行けなくなった。

 道の駅を出発するとやはり向かうのは高千穂峡だ。しかし平日だというのに駐車場は行列ができる有様。車を止めるとワンコは抱っこで移動、カートはとても使えないし、歩かせるにはすでに遊歩道が熱すぎる。

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◆高千穂峡 自然いっぱい

 上の写真でラーレも言っているが、今回大分、熊本に絞ったはずの九州旅行なのだが、この高千穂だけは例外で宮崎県である。そのくらい実際に高千穂は宮崎県内でも北西の端っこに位置している。

 さて高千穂峡の遊歩道だがお世辞にもいい道ではなく、アップダウンもあれば所々凸凹している場所もある。おまけに観光客も大勢やって来ている。ここもやっぱり中華な団体様御一行が目立ったが、日本の団体様御一行もかなり多かった。お目当てはやはり「真名井の滝」だろう。本当ならボートにも乗りたかったがわんこがいるとボートには乗れないのでとりあえず滝を目指して歩くことに。

 途中には甌穴岩があったり、神話に登場する力石があったりと見所もあるのだが、やはり渓谷沿いの道を歩いていくだけでも気持ちがいい。気持ちはいいのだが暑すぎてつらい。ということで視界は涼やかな風景が広がるが、実際はこの上ないジメジメムシムシで日差しも遠慮ないきつさだった。

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◆伝説の残る鬼八の力石

 歩く事20分くらいでようやくお目当の真名井の滝が見えて来た。ここまで来ると記念撮影もなかなかうまくいかないくらいの人の多さ。

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◆真名井の滝 名前は知らずとも写真で見たことのある人は多いだろう

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◆チャイ、ニコニコです


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 ◆エルマ、ぶちゃいくです


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◆おすましラーレ




◆全天球カメラ画像 高千穂峡

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◆神橋 とても雰囲気ある


 高千穂峡を見終えて車に戻ると、再び道の駅に戻って休憩。ちょっとお土産なども見たがここでは何も買わなかった。次の目的地は熊本、そこまでの間は何か見たいものがあったら立ち寄ってみることにした。

 高千穂からは高森に戻らず、まっすぐ熊本方向へと通じている国道218号線をひたすら西に向かって走っていった。12時過ぎくらいにフェリー会社からショートメールがやって来た。運転をしていたので最初に見つけたコンビニに立ち寄って内容を確認すると6日のフェリーが欠航ということだった。なんだよ、今朝のメールはなんだったんだよ。まさに朝令暮改というかまだ暮れてもいない時間だ。

 ということでどうやって帰るかが直近の問題となってしまった。この日の宿は熊本の八代、明日は大分まで移動をして夕方出るフェリーに乗る予定だった。

 移動も大事だが今後のルートなどを再検討する必要に迫られた。どうしても台風の中陸送して帰るしかない。行きにすっ飛ばした福岡や山口を通るのがとても億劫だった。四国経由で再び帰ろうと思い、行きに利用した国道九四フェリーのサイトを見ると早々に1日欠航が決まっていた。次に大分発のフェリー会社のHPの予約サイトを見ると7日の便の同じ部屋がまだ1室空いていたのでママにもう1日お休みを取るようにお願いしてなんとか船を再び押さえることができた。おそらくショートメールを受け取ってそれほど時間も経っていなかったのでまだ空きがあったのだと思う。しかし船は押さえられても翌日の宿が次なる問題だった。この旅行で押さえた宿はどれも見つけるのにもかなり苦労したのに、いきなり次の日、それもわんこを三頭受け入れてくれる宿を探すのは至難の技だった、

 とにかくこの段階では「こうなったら嫌だな」が悉く的中して気も滅入ってしまい、そんな中幸運にも船が押さえられたという程度の事だった。

 立ち寄ったコンビニは熊本県内の山都町。先の震災の際には甚大な被害を受けた場所として覚えている。前日も暑かったがそれ以上に暑く、雲ひとつない晴天だった。この後台風がやってくるなんてとても思えないくらいの空だった■

次回に続く

by fibich | 2019-08-17 22:15 | わんこといっしょ

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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