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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

逆打ち遍路日記2016夏(20) 札所69番観音寺・68番神恵院

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【2016年8月8日(月)】

 今回の日記はバカていねいに札所ごとにページを改めて書いているが、今回はまとめて二寺。札所69番の観音寺と68番の神恵院(じんねいん)だ。この二ヶ寺は同じ敷地にあり、納経所も二ヶ寺分まとめてご朱印をいただく。今回は観音寺だけなんていうご朱印のもらい方はできない。この観音寺は言うまでもなく香川県観音寺市のあの観音寺の事をさす。

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◆勝手な事言ってます

 どうして一つの境内に二ヶ寺あるのかという話は後半に持って行くことにしてまずは一つ前の本山寺を出発したところから。本山寺はいつも後ろ髪を引かれるような気分で出て行く。もうちょっと見ておきたいという気分と、大抵は順打ちなので次が階段寺の弥谷寺ということもあるからだ。しかし逆打ちをしているときでも同じように感じる。

 本山寺を出ると逆打ちの場合はすぐに橋を渡る。下を流れる川は財田川でこの川を渡った向こうは観音寺市だ。(本山寺は三豊市にある)そして町中へと進むにつれどことなく懐かしい町並みが続き、やがて鉄道が見えて来る。鉄道のガードをくぐるといよいよ町の中心で、それを過ぎると財田川を越える。この当たりは地図で見るともうかなり海に近い。そしてその先に琴弾公園の案内が見えて来ると観音寺もすぐである。

 山門脇に駐車場があるのでそこに車を駐める。前日札所76番金倉寺で時間前にお寺を閉められたのを思い出してできるだけ急ぎたかった。とは言ってもそこは時間が許せばお参りが先、しかも今回は逆打ちなのでたとえ境内に札所が2つあっても69番の観音寺が先だ。まずは水場でお清めをし、鐘を撞いて右側にある観音寺本堂からお参り。観音寺は境内の山門から見ると石段を上がって右側奥、その手前に大師堂がある。大師堂の横には大きな木があるので迷わない。因みに大師堂脇に長い石段があってそこを上がると薬師堂がある。

札所69番 七宝山 観音寺(香川県観音寺市)
真言宗大覚寺派 開基:日証上人 本尊:聖観世音菩薩
観光地としてのおすすめ度:★★★ 近場での食事:△ 巡礼用品調達:△
1つの境内に2つの寺を持つきわめて珍しい寺、土地の名前にもなった朱塗りの寺。
 
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◆札所69番観音寺本堂

 我が家は今回の日記では何度も書いているが読経を多少急ぐことはあってもお参りの手順を省略することはない。たまに時間的に間に合わず先に納経所へ行くこともあるが、ご朱印をいただいてから改めてお参りをする。納経が先だった時の方がその後ていねいにお参りしているかも知れない。そんなわけで境内は1つでもここでは2倍の時間がかかることになる。
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◆札所69番観音寺大師堂

 観音寺が終わると今度は神恵院だ。神恵院は先ほどの山門から見ると左側にある。これがお寺のご本堂と目を疑うような近代的な建物だがその階段を上がるとああ確かにお堂だったという出で立ちを見せる。階段の上まではわんこも連れて来られる。半分コンクリートの建物の中にあるお堂は読経をするとちょっと声にもエコーがかかる。

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◆モダンな外見の札所68番神恵院本堂


札所68番 七宝山 神恵院
真言宗大覚寺派 開基:日証上人 本尊:阿弥陀如来
琴弾神宮にそのルーツをもつかつての神宮寺。神仏分離で境内を観音寺とともにする。
(おすすめ度は個人的感想に基づいています)

 最後の神恵院大師堂は神恵院の左隣。こちらはいかにもというお堂だ。ここを打ち終わったのが5時3分前。慌てて納経所に向かいこの日最後のご朱印をいただいた。なんとかギリギリでお寺を打ち終えて打ち止め。ほっとひと息ついて記念撮影をした。
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◆札所68番神恵院大師堂
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◆今日も無事に打ち止め

 ところでどうしてここには2つの寺が1つの境内にあるのかを簡単に書く。この場所に日証上人が琴弾八幡宮を建て、その神宮寺として作られたのが観音寺の始まり。後に弘法大師がこの寺の住職に就いたとき、聖観世音を刻んで本尊とした。観音寺の本尊はこの聖観世音菩薩だ。そしてもう一方の琴弾八幡宮には阿弥陀如来を描いて本尊として安置し琴弾神恵院として68番札所とした。神宮寺は観音寺と改名。

 次に変化が起こるのが明治元年の神仏分離令施行後のこと。それまでは観音寺と神恵院は別々の場所にあったが法律が施行されると神社に阿弥陀如来がある事が法律で禁じられることとなり、阿弥陀如来は観音寺へと安置され、観音寺の敷地に神恵院が移ってきた。そしてそこが68番札所となった。もとの神社も観音寺の裏手、琴弾山の頂上にある。

 弘法でさえも神社と寺院の区別なく御姿を奉納されているところから、日本の長い長い歴史の中では神社と仏教寺院はほぼ同じものといった思想が千年以上も続いていた。だから神社とお寺はよく似ている。と言うかきっと江戸以前の時代はどっちだか全くわからないお社ばかりだったのではないかと思う。それを神仏分離という法律で厳しく区別を付けたのはつい150年も経たぬ前のこと。それ以前の長い長い歴史と人々の風俗などを考えると本当につい最近のことだ。そんないにしえの時代の風習をこういった場所では感じる。

 国家宗教として神道を法律で制定した結果今は神社と仏閣をハッキリと区別する事ができるようにはなったが、神社もお寺も同じようなお祭りをしたり、いまだにお寺の前で柏手を叩く人がいたりするのはそんな線引きをする以前の日本人の生活レベルにおける習慣の名残なのだろうと思うこともある。昨今流行りのご朱印帳、以前もこのブログで書いたことがあったが同じご朱印帳に神社のご朱印とお寺のご朱印が一緒になっていても別にそれは悪い事ではない。神社もお寺もご朱印をもらえること自体がこの神仏分離以前の習慣でもある。

 と、結局は長々と書くことになってしまったが、この四国八十八カ所だってかつては神社の札所もあったのだし、そのあたりで変な違和感を感じたり拘りを持つだけ疲れてしまう。

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◆この日記の主役はあくまでも我が家のわんこ達

 この日の宿はこのお寺からもすぐの場所にある琴弾荘という宿。チェックインをする前に再び観音寺の町に戻って入り用のものを買う。だいたい宿で飲む飲み物がメインで、琴弾荘では夕食と朝食もついていたので食べ物を買う必要はなかった。かわりに筋肉痛が激しくなってきたのでドラッグストアでジェルを買ったりと、他の買い物が多かったような気がする。

 ちょっと薄暗くなってきた頃に琴弾荘に到着。立派だ。立派すぎる。我々のような遍路が泊まるような宿ではなかった(というのは個人的感想)本館と別館があり、わんこ連れの部屋は別館だ。しかし別館には大浴場もあって風呂も近い。部屋の写真などはないのだが広くてゆったりとしているし、据え付け家具や調度品もちゃんと整っているし、何より嬉しかったのはラジオが聴けたことだ。ちょっと古めのホテルには枕元で照明をコントロールできる以外にもデジダル時計の目覚ましやラジオなどがあったが、時計は今でも動いていてもラジオが聴けることはあまりない。我が家の暮らしではテレビよりもラジオの方が重要なためにラジオが聴けたのがなにより嬉しかった。

 夕食は本館の食堂でいただいたがこちらも贅沢すぎるくらいの食事だった。どんな場所なのかよくわからず、わんこ連れも受け入れてくれるという情報だけで予約を入れたが(それもネットではなく直接電話で予約を入れた)、あまりにも贅沢すぎた。

 前日の高松センチュリーホテルといいこの琴弾荘といい身分不相応な気もするのだが、過去にはもっと高級な温泉旅館や高知では料亭旅館などにも泊まっているのでたまにこんな贅沢もいいかなと思った。

 食事を終えてラジオをつけるとちょうど山田雅人が熱く語る「語りの劇場グッとライフ」を放送していて明日行われる男子体操団体種目にも登場する白井健三の特集をしていてぐぐっと聴き入ってしまった。旅先でこういった番組を聴くと結構思い出に残るものだ。最後に山田雅人が「ひねり王子白井健三、ひねってひねって明日金メダルを取ります」と熱く閉めていた。こういうフレーズはさらに記憶に残る。

 その後もラジオを聞きながらゆったりのんびり、ちょっとだけお札書きもしてあまり遅くならないうちに就寝■

by fibich | 2016-09-04 00:03 | わんこといっしょ | Comments(0)

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