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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『明日が来る』

友は来ない
新しき風の中に
次の方角を見つけたから

父は来ない
病に倒れてからというもの
眼の輝きが失せてからというもの

恋人は来ない
暗闇から抜け出せぬ苦しみから
自ら道を踏み外したから

それでも
明日は私にもやって来る
私にも明日はやって来る
孤独の始点の奥底の
冷たい空の下
明日が来る
まるで事務的な繰り返しの下
明日が来る

色のない空を見つめ
目に涙を浮かべながら
今日という日を
何度となく
見送っては来ましたが
今日は今日の姿を変えず
明日は明日の調べを忘れず
来ないもの
来るべきもの
それぞれにそれぞれの風を送りつける
孤独の始点の奥底の
冷たい空の下の私に出さえ
忘れることなく
明日は来る

夢は来ない
希望というものを敢えて手放してしまってから
夢が何だか忘れてしまったから

光は来ない
心の奥底にあった眼を
ふさいでしまったから

愛は来ない
元々愛されるために
生まれては来ていないから

それでも私の所にも
明日はやって来ます
絶えることなく
明日はやって来ます
by fibich | 2004-04-29 22:12 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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