2014年 11月 30日
DOG!フェスタの後
前回のブログではDOG!フェスタも一通り見て本来ならこの手のイベントで最も楽しい投げ売りタイムまで居残っていようと思っていたが道路事情も気になって会場を後にして高速に入ったところで終了した。東名高速をひたすら走り、80キロ近く走ったであろうか…
下り方向に(笑)
で、高速を下りたのが浜松西ICだった。とにかく渋滞とそれに巻き込まれたときの疲労を最も嫌うのでそんなものに巻き込まれるくらいであれば反対方向に向かって寄り道して疲れた方がまだ楽しいし同じ疲れ方でも全然違う。
ちなみにこの日の道路状況は三連休の最終日ということもあって東名上りは大和トンネルを先頭にかなりの渋滞だった。ツインメッセ静岡を出るときには渋滞も厚木ICの手前くらいだったのが、高速に入ったときにはあれよあれよと渋滞は伸びて大井松田ICの先くらいにまでなっていた。そのまま上り方向に向かっていたら渋滞に突入、そこで厚木ICまで渋滞に巻き込まれたらその疲労は考えるだけでもげんなりだ。そんなわけで反対方向の浜松に向かって寄り道をすることとした。
で、浜松と言えば我が家ではラリーズカンパニーなのだが、この日はDOG!フェスタに出店しているので本店に寄ってもわんこを可愛がってくれるマダムはいるわけもなく(というか、会場でたっぷりかわいがってもらった。)それではどこへ行ったのかというと前回の浜松オフの時に立ち寄ったらーめんカフェワコーのあの味が忘れられず再度そこで食事をすることと相成る。このバカなノリはまさに箱根さえ越えてしまえば三島も静岡も浜松も同じとしか考えてないアホさ加減からしか出てこないであろう。(しかも御殿場に至っては我が家の近所みたいな感覚しかないし。)
このらーめんカフェワコー(以後「らーカフェ」と呼ぶ)は舘山寺温泉の端の端に位置するとてもわかりづらいところにあるラーメン屋。以前来た時の様子もこのブログで書いてあるが、その時のオフ会はお世辞にも楽しくなかったのでリンクは省略。(今月のどこかにある。)
このラーメン屋の特徴はわかりづらいが車でも行けて、もちろん舘山寺観光で公共交通機関で来た人も(わかりづらいが)来られて、浜名湖から水路でも来られるのが他のラーメン屋とは完全に違うところ。湖面に突き出たテラス部分はわんこ同伴可なのだが、前回は雨が降っていたためにわんこと一緒には食事ができなかった。
ここで僕は「魚貝ラーメン」なるラーメンを食べたのだが、お世辞抜きに言って久々に美味しいラーメンを食べたと思った。実は今年は夏以降美味しいラーメン屋によく当たる。近場では小雀浄水所脇にある「しなそばや」といずみ野にある「ラーメン自由人」がなかなか美味しいなと思ったが、ここのラーメンは次元が違っていた。
ちなみに先述の「しなそばや」は昔懐かしいタイプのしょうゆラーメン、「ラーメン自由人」は九州を中心に展開されているとんこつラーメンチェーン店「山小屋」をさらに濃くしたような感じだった。
このらーめんカフェワコーの魚貝ラーメンに関して言えば味は出しゃばらず、麺は我を強調せず互いに引き立て合ってバランスがとれている。そこに一貫した味(ここには好き嫌いもあると思うが)が通されていてこれがとにかく個人的にはとてもお気に入りになっていた。僕はこんな風に我を通すパーツを持っているラーメンよりもハーモニー重視のラーメンが好きだ。そんなわけでジロー(やジローをリスペクトしてると謳っている店)などは日頃から行ってみたいとも思わない。
ラーメン話につき進んできたので話を続けるが、これまで僕が最も美味しいと思った今はなき北海道蘭越町の「蘭龍」の田舎ラーメンもまさにそんな調和のとれたラーメンだった。最近のラーメンは確かに美味しい、しかしどのパーツも我が強くて調和という面ではガタガタである。そんなわけで食べ終わってスープの味か、麺のゆで具合か、はたまた乗っていた具の味かどれかしか思い出せない、どれか一つだけが良かったという思い出だけで終わってしまう。僕が好んで食べる横浜家系の中でもそのあたりのバランスがとれている店はあまりなく、結局醤油とんこつよりは塩ラーメンを選ぶ事が多い。そこいくとあとから振り返った時にらーカフェのラーメンはどことなく「蘭龍」のラーメンを食べ終わった時の余韻に似たものを感じた。
もう食べることのできない「蘭龍」の田舎ラーメンは今から20年くらい前、北海道のバイク雑誌でライダーが選ぶ北海道で最も美味しいラーメンのナンバー1に選ばれたラーメンでもあった。これは店の人から教えてもらった話だが、実際に道民ライダーからも別の場所でその話を聞き「え、あの店でラーメン食べたんですか」とビックリされた思い出もある知る人ぞ知る名店だった。
「蘭龍」の小父さんはそんな栄誉を栄誉とも思わず、むしろ忙しくなってしまったことを嘆いていて、仲の良いお客さんに喜んでもらうだけのラーメンしか仕込んでいないのに、大勢の人が食べに来てそれはそれでありがたいが、本当にお店のラーメンを楽しみにいつもやって来てくれるお客さんにラーメンが出せなくなることが多くなったことを残念そうに語っていたのを思い出した。当時友人宅に長期滞在して毎日お昼ご飯が蘭龍という日々を送っていたとき、だいぶ顔なじみになってからそんな話をしてくれたことがあったのを思い出した。これもまたラーメン屋の美学にひとつなのかなと、売れて人気店になり大勢の客がやって来るのももちろん素晴らしいことだろうが、楽しみにしている人のためにラーメンを食べてもらう、それだけのためにお店を開いているってのもラーメン屋の美学のひとつなはずだ。
蘭龍は何年かにかけて通っていたが、最後に立ち寄ったときは小父さんが倶知安の病院に入院してしまったとかで小母さんひとりで切り盛りしていた。その時は田舎ラーメンではなくて味噌ラーメンを食べたが、それが最後となってしまった。もうあんな素朴でありながらもラーメン全体を余すとこなく楽しませてくれるラーメンは食べられないんだろうな。
さて、話はらーカフェに戻るがそんな「蘭龍」でいつもの田舎ラーメンを食べ終わってバイクにまたがりながら煙草を燻らし、キックスタートでエンジンをたたき起こして(その時の愛車はSR500だった)再びニセコ方面へと一風呂浴びに行く間に感じる余韻と似たものを感じたのである。(だいたい行きつけにしていた昆布温泉かちょっと足を伸ばして真狩温泉まで行き、休憩室で午後は昼寝して過ごすのがお決まりだった。)
今回は僕が「とんこつラーメン」を。ママは「柚子塩ラーメン」を注文、他に僕はチャーハン、ママは餃子も注文。チャーハンについて来るスープでだいたいのお店のレベルがわかると言うが、このスープも美味しく。ラーメンスープもしっかり飲んだ上にチャーハンスープも飲んでしまった。味は前回の魚貝ラーメンとは違ってそこはとんこつスープの最低限の主張はあったにせよ、それを麺がしっかりと受け止めて支え合っていた。
ここに来るとラーメンももちろん楽しみなのだがお店のお兄さんとお話をするのも楽しみ。ちょうどラリーズカンパニーに買い物に来るだけでなくマダムと会うのが楽しみなように、その人に会いたいからここまでやって来るのが楽しみなお店でもある。
今回は思いもしなかった珍客にだいぶ喜んでいただき、その上わんこにはチャーシューまでいただいてしまってとてもありがたかったです。きっとわんこ達も飼い主がラーメンを美味しく食べて幸せだったのと同じように幸せな気分だったことだと思います。
ところで前回初めてらーカフェに行ったときからどういうわけかラーレがこのお兄さんにべったり甘えまくりで、お兄さんもラーレをかなり気に入ったご様子だった。そんなわけで今回は再会が嬉しかったようで後日のブログやfbでもラーレのことを書いてくださってました。
静岡でのわんこイベントで楽しんだ後、さらに足を伸ばして浜松まで行ったこともあって帰りも遅かったしかなり疲れたのは言うまでもない、しかも翌日は仕事だったので尚更だ。
しかし疲れたとは言えこれだけのバカやって大いに楽しんだ上に美味しいラーメン食べて会いたい人とも会えて充実した一日であったことは間違いない■
by fibich
| 2014-11-30 23:06
| わんこといっしょ