2014年 02月 11日
あの歌この歌(最近のこと)
ここんところ去年のわんこの様子ばかり書いていて、ようやく去年3月までが書き上がった。最近のことは特に書くこともなく、わんこ関係のことはまず去年の事を書き終えてからにしようと思っていた。
去年のことだが栗コーダーカルテットの新譜をiTunesでDLしてよく聞いている。知る人ぞ知る栗コーダーカルテットは「ピタゴラスイッチ」などでも耳にした事のある人もいると思う。栗原正己をリーダーとした四人組のリコーダーカルテット。栗原正己はかつてさねよしいさ子のバックバンドにいてその頃からリコーダーを吹いていたし、メンバーの関島岳郞はコンポステラのメンバー、近藤研二はハイポジのメンバーということで知っていた。コンポステラは相方の篠田昌已が急逝しその後はよくわからないし、ハイポジは最初四人いたのが近藤ともりばやしみほの二人となり、現在はもりばやしが一人で犬二頭と活動しているらしいがこちらもわからない。言うなればおお、こんなところでという面々が集まっていたのだ。
01. 花
02. 若葉
03. 故郷
04. 朧月夜
05. みかんの花咲く丘
06. かわいいかくれんぼ
07. ニコニコピンピンの歌
08. 富士山
09. 茶摘
10. 海
11. 椰子の実
12. 浜辺の歌
13. 砂山
14. シャボン玉
15. 紅葉
16. 黄金虫
17. 埴生の宿
18. 庭の千草
19. 冬景色
20. ペチカ
21. 冬の夜
22. 蛍の光
曲のラインナップを見ればわかるが今回は懐かしい童謡や唱歌ばかりのアルバムだ。この手の歌が大好きな僕にとってはたまらないのだが、実際に良いなと感じたのは数曲。「花」「故郷「埴生の宿」「庭の千草」「冬の夜」そして「蛍の光」だけ。あとはアレンジ凝り過ぎたりとどうもしっくりとこない。
そもそもリコーダー奏者でもない者が四人集まってアンサンブルをしてみたところでそれはやっぱりリコーダー楽曲とは言えない。というくらいリコーダーは難しい楽器なのだろう。息づかいの雑っぽさが表に出てしまいリコーダーの柔らかさ、優しさが半減されてしまう。リコーダーという楽器は門戸は広いが突き進めていくにはあまりにも難しい楽器なのだと思う。だから聴いていて「上手な小学生」という印象がぬぐえない。
アイデアは奇抜でなかなか面白いのだけど、そこ止まりで奥がなく、そこに誰もが知っている童謡、唱歌というシンプルだけどこちらもまた難しい曲を持ってきたのでピタゴラスイッチやダースベイダーのテーマのような華やかさやおもしろさでの勝負が最初からできない。よって粗も目立つのであろう。
酷評になっちゃったが実際に聴いて感じてみるといい、リコーダーの息づかいは職人技なんだなと言うことを考えさせられる。同じコンセプトをプロのリコーダー奏者にやらせてみるとおそらくその差は歴然としているはずだ。ただしそんなCD出しても売れないだろう。栗コーダーカルテットが作ったからこそ売れる代物だと思う。
先ほどちょっと書いたコンポステラの(と言うか、元Jagataraの)篠田昌已はちんどん屋に魅せられちんどん屋に弟子入りをし、自らちんどん楽士になってその楽曲をCD化させた「東京チンドン」という伝説的なCDを遺作として残している。折しも東京から急速にちんどん屋が姿を消していく時代、ちんどん屋の音を後の世代にも残したかったのであろう。ただ一つの誤算は自らも急逝してしまったこと。一つのものを突き進めるのならそこまでやってもらいたいものだ、どうしても片手間にリコーダーをやっているという印象がぬぐえない。
とはいえ、個人嗜好絶対主義でリスナーに変に媚びたいびつな音楽ばかりが流行る世の中で誰もが知っている歌に敢えて挑戦し聴いてホッとさせてくれるこのバンドの存在意義はとても大きいと思う。今後もあっと言わせるようなアイデアで活躍されることを期待している■
by fibich
| 2014-02-11 13:28
| 日常の話