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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『或る男』

その男 静かなれど
内に秘めている熱きもの
隠すことができず
それを悟られながら
穏やかに話す声など
低く重く
出で立ちは白き不透明な膜の中
発する言葉は
瞬く間にタペストリーの如く
聞く者を引きつけては放さない

声は幾重もの感動を呼び起こし
その視線は一点から離れず
浅き呼吸は次の言葉を呼び出し
再び低き声にて
次なる言葉が生まれゆく
一瞬の連続がこれほどまでに
意味を為すこの空間
その男 静かに座り
時折遠い目で再び言葉を発する
大いなる存在感
豊壌の大地に抱かれし
可能性との出会い

その男 穏やかに微笑み
我の前から消える
あとに残ったものを貪るように
我その男の背中を眺める
悠久の言葉
未来へ続く指針
斯くある時が再び訪れることなど
想像もつかぬことさえ
しばし忘れさせる余韻

それら全ての事が
夢となりては蘇るとき
その男 皆の思い出の中へ
今こそ永久の存在へ
声にならぬ声が
触れることのできぬ重圧が
全ての者を解き放ち
白き不透明の膜の向こうへ
by fibich | 2004-12-09 22:32 | | Comments(0)

詩と写真の日記
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