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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『桜を愛でる』

【詩】『桜を愛でる』_a0004070_22031.jpg
こんなに精一杯咲いている桜が
あと一週間も経てば
すべて散ってしまう
わかっているだけに
この時期は憂鬱になる
だから私は精一杯桜を愛でる
来年またこの姿を
見られるかどうかわからないから
今を一生懸命生き抜く桜の姿に
私の姿をそっと重ねて
真剣に桜を愛でる
何かを飲んだり食べたりしながらなんて
そんないい加減な姿勢で
桜と向き合いたくない
まっすぐ桜の木の下に立ち
愛おしむように見上げて
桜と対話をする
あと一週間の儚さは
胸の奥底にぐっと沈めて
今を精一杯咲き誇る
その姿を目に焼き付ける

桜よ 来年また会うことができたら
今度は私の隣に
誰がいるのでしょう
今一緒に桜を愛でているこの人が
また私の隣にいるのでしょうか
また来年会うことができたら
その美しき姿を
私に見せてほしい
そしてこれから青々と茂るあなたの姿を
私は忙しいながらも
しっかりと見届けるから
どうか来年また会いましょう
違う場所 違う空の下で巡り会っても
同じ姿を私に見せてほしい

こんなに精一杯咲いている花が
あと一週間も経てば
すべて散りさってしまうなんて
今の私には 到底考えられないこと
けれども毎年こうして
桜の散りゆく姿を見届けてきた
来年また会えるのならば
その瞬間を楽しみに生きていける
だから今 私は真剣に
桜と向かい合える
by fibich | 2004-04-06 22:01 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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