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今手元にある写真を久しぶりに見て
思い出していました
迷路のような城塞の街を
確かに僕はこゝを訪れたことを

石畳の狭い路地を
迷う事を楽しみながら歩いた
冬晴れのあの街の記憶が
写真の隙間から蘇ってきます

願わくばもう一度と思えども
あまりに遠すぎるエヴォラ
写真ばかりが饒舌に思い出を語り

教会前の噴水広場で
のんびり座っていたクリスマスの思い出が
今になって蘇ってきます


☆即興ソネット
PHOTO:エヴォラ(ポルトガル)

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向島から尾道へと戻る郵便配達員
瀬戸内らしい情景だなと思いました。
詩 『 影 』

影は背を追い
背は影見つめ
月の満ちるも
気付かぬか
a0004070_02719.jpgロカ岬
ポルトガルのリスボン郊外にあるユーラシア大陸最果ての地。ここでユーラシア大陸が終わるのである。日本が大陸の東にある国ならば、ここに立つととてつもない距離を歩いてきたとしみじみ思うもの。たとえば大陸と直接繋がっている韓国に行き、この地を訪れると地球はなんて広大なんだと改めて感じるし。大西洋の反対側のアメリカ東海岸に行った事があれば、なおのことこの場所の意味がわかる。ここから先は大西洋、そして大西洋を挟んだ向こう側はもうアメリカ大陸なのである。

リスボンから郊外電車に乗ってシントラまで向かう。電車は人が走っている程度のスピードでゆっくりとシントラへ向かう。日当たりの悪いシントラ駅横のバス停からカシュカイシュ行きのバスに乗る。駅の観光案内所のお姉さんは英語も話せるが、スペイン語で話しかければスペイン語が返ってくる。

シントラからカシュカイシュ行きのバスは一日数本、すべてロカ岬を経由して行くため、ロカ岬でバスに乗る時はカシュカイシュ行きでもその逆のシントラ行きに乗ってもちゃんと帰ってこられる。30分ほどバスに乗っていると南欧独特の赤い屋根瓦の家の集落を幾度となく通過し、目的地のロカ岬まで到着する。

世界的にも意味のある場所にもかかわらず、商売ッ気の全く感じられないところで、観光案内所兼土産物屋兼カフェがあるだけ、しかもその店だってちっとも客引きなどしているでもなく、ただのんびりと店を構えているにすぎない。

ロカ岬はポルトガル語で「岩の岬」という意味で、この場所を特別視していないことは地名からもよくわかる。岩の切り立った断崖の岬だからロカ岬なのである。

シントラからバスでここまで来て、次のカシュカイシュ行きが来るまでの間約3時間ほど、観光客が入れ替わり立ち替わりするのを横目に岬から眼下に広がる大西洋を眺めていた。ちょっと風の強い日だったけど、それを除けば青空が広がり気温も高くて居心地の良い場所である。何よりも煩わしい物売りはいないし、団体様ご一行も来てはすぐ立ち去っていく。こんな特別な場所だから一人でやって来た方が良いのである。

やがてカシュカイシュ行きのバスがやって来るとそれに乗り込んでロカ岬をあとにする。傾き始めた太陽を背にバスは長い坂道を下ってカシュカイシュへと向かった。この場所は「ポヴァリー夫人」の舞台となる場所でもある。オフシーズンのカシュカイシュはちょっと寂しい雰囲気がしたが、街並みを歩くといかにも南欧の街だなとつくづく感じた。カシュカイシュからリスボンに向けて郊外電車で戻ってきた頃、日本ではちょうどミレニアムを迎えたばかりであった。1999年12月31日、1000年代最後の日を僕はロカ岬で過ごした。

 
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 「月没」というお題またはテーマで詩を書いて下さる方、
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書いてみます。

PHOTO: 三島の月没