a0004070_235514.jpg 青空の日で良かった
こんなに晴れていて良かった
ちょっとだけ悲しい思い出が
できたけれど良かった
こんな晴れの日に
さよならができて
よかった

青空が見守ってくれて良かった
僕からお別れを言わないで良かった
何も残らないことを
この空が教えてくれて良かった

青空の日で良かった
心の中ちょっとだけ雨が降るけれど
この瞬間 青空を眺めていられて良かった
それだけで 本当に良かった
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エディルネ
オスマン帝国時代アドリアノーブルと呼ばれ、コンスタンチノープル(現在のイスタンブール)が首都になる前、約1世紀ほど首都だった場所である。言うなればトルコの古都の街だ。

最初のトルコ旅行の時、僕はイスタンブールから240キロ西にあるこの街で警察に捕まった。その時は初めての海外旅行でまだパスポートという物がどんな物なのか良くわかっておらず、パスポート不所持だった僕は即警察行きになってしまったのである。その後英語が通じない苦労を強いられなんとか解放されてイスタンブールまで戻ってきた。

 「深夜特急」というドラマ、または小説をご存じでしょうか。ドラマなら大澤たかお主演、元は沢木耕太郎の長編小説である。この小説は一人の男がユーラシア大陸を旅行する話なのだがタイトルの深夜特急というのは「トルコの刑務所に入れられた外国人受刑者達の間の隠語で、脱獄することを深夜特急に乗ると言った。」と述べられている。

 しかしトルコの現地の人の話やLonely Planetのコラムなどを読むと若干の違いがあるのだ。もともとこの「深夜特急」というのはトルコの映画のこと。麻薬密造者がヒーローとなる政府批判的な映画である。おそらく原作者沢木耕太郎はこの映画からヒントを得て小説のタイトルにしたことだと思う。しかし現実はもっと奇妙であった。

 もともとの深夜特急の話はこうである。かつてオスマン帝国崩壊で新しい国境が制定されるとイスタンブールとエディルネの間の鉄道は一部新しく制定されたギリシャ領内を走ることになってしまった。ギリシャ国境警備隊はこの列車がギリシャ領内に入ると列車に乗り込み、トルコ領内に再び戻るときに降りていくのである。

 1960年代から70年代にかけてこのイスタンブールとエディルネの間を走る深夜特急というものが実在した。その頃トルコ国内で麻薬関連で有罪になった外国人は有罪が確定されると国外追放の為に拘置所から出されるとき、パスポート以外の全ての所有物を返却された後、エディルネ行きの深夜特急に乗るように政府から勧められたそうだ。イスタンブールから逃げ出すように深夜特急に乗る彼らはギリシャ領内でパスポート不所持のためにギリシャの国境警備隊に逮捕され投獄される。そこで領事館に連絡を取ってパスポートを申請して再び旅行を続けていたという。

 これは当時アメリカ政府がトルコ政府に対し麻薬密輸や密造に対してもっと厳しい態度で接するように申し入れたものの、あまりにお金がかかり、その数も増える一方だったのでトルコ政府が苦肉の策としてとったものだったという。

 しかしながら70年代後半になるとイスタンブール~エディルネ間に新しいルートで鉄道が敷かれ、ギリシャを通過する旧ルートは廃止となってしまった。

 本物の深夜特急というのは麻薬犯罪者が英雄となる同じタイトルのトルコ映画のイメージとは違い、麻薬犯罪者を体よく追放させるための列車であったという事実は日本ではあまり知られていないことだろう。

 この話はLonely Planetのコラムにも書かれていたが、バンドゥルマからイスタンブールに向かう船の中で知り合ったトルコ人バックパッカーと話をし、かつてエディルネでパスポート不所持で逮捕されたことがあると話をしたとき、「それってまるで深夜特急だね」と笑いながらかつてこんな列車があったんだと教えてもらった話でもある。


PHOTO:エディルネのエスキ・ジャミィ(モスク)
 

雪道の教会通りに
そりを持った子供達がかけてゆく
道路の向こうは墓地
一枚も葉をつけぬ裸木の枝が
灰色の空にひゞを入れる

足を雪に滑らせて歩く教会通り
積み重なった諦念が色をなくし
冷たさばかりが身にしみる
そして
目の前にはなかなかたどり着かない
古い教会
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今御心のもと深く その導きだけを頼りに
遠くの国までこの身を流して
まだ幾ばくか残された力で
今日もまた歩き続けてはいるけど
未だ安らぎの時は遠く
かき分けて進む道は凍てついたまゝ
咲く花もなく
見上げる青空もこゝにはない

ポケットからたった一枚の写真を取りだし
あゝ 君は今いずこと
ため息もまた白く空に上る
教会を目指して
今 歩いている
この街にも
君はいなかった


PHOTO:ベルリン市内

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今手元にある写真を久しぶりに見て
思い出していました
迷路のような城塞の街を
確かに僕はこゝを訪れたことを

石畳の狭い路地を
迷う事を楽しみながら歩いた
冬晴れのあの街の記憶が
写真の隙間から蘇ってきます

願わくばもう一度と思えども
あまりに遠すぎるエヴォラ
写真ばかりが饒舌に思い出を語り

教会前の噴水広場で
のんびり座っていたクリスマスの思い出が
今になって蘇ってきます


☆即興ソネット
PHOTO:エヴォラ(ポルトガル)

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向島から尾道へと戻る郵便配達員
瀬戸内らしい情景だなと思いました。