a0004070_231156.jpg【お題】月没

沈んでいきます 赤々と
誰に見届けられるでもなく
大きな月が
波間へと姿を隠していきます

時間の坂道を緩やかに滑るように
今日の月が沈んでいきます
身勝手な祈りや
くだらない嘆きをぶら下げられ
美しい月が
静かに沈んでいきます

地球の夜の部分に空いていた穴は
静かに姿を消し
散り散りの星空が
再び戻ってきます
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眠らない工場の
地鳴りのような
夜の音楽
町中や住宅地では
聴く事のできない音楽

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  化学工業プラントの
  散らばった明かりが見える
  あの道路沿い

  こゝに連れてくると
  喜ぶ人がいた
  それも
  一人ではなく

  この助手席に座った
  今は思い出の人たちが
  なんの共通項もないのに
  こゝに連れてくると
  うっとりと夜景に
  酔いしれていた

  僕はこういった風景
  苦手だったんだけど
  連れてくれば喜ぶから
  よく来ていたものだ

  今は全く
  来る必要もなく
  もともと嫌いな風景なので
  近寄ることも
  なくなってしまった
  
  地上に群星があるとすれば
  もしかしたら
  こんな汚れきった工業地帯の
  海端に咲くものなのかもしれない
  あいつらはきっと
  それを知っていたのだろう
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国境の町で
夥しい数のスイカを見る
スイカって大きすぎて
旅先では買えないよね


PHOTO:チェンコン(タイ)


いとくちにするのがてれくさいから
つでもぼくはくちぶえをふく
んびり のほゝんと
たをかぜにのせて
しかなきもちがとんでいく

いとくちにするのがてれくさいけど
ちからぼくはうたいなおす
ばらにさゝやきかけるように
つくしいものをうつくしいと
ゞそれだけをつたえるため

きどきうしろをふりかえって
のくらいすゝんだのか
まというこのしゅんかんに
れわらいをしながら
よいながらも きょうもまた
ゝみつゞけたこのときを
さねていきたいのです

いとくちにするのがてれくさいから
つまでもぼくはうたいつゞける
そのそとちかづくはるのように
まくことばにはできないから
ゞひたすら メロディにのせて

☆即興折り句