カテゴリ:詩( 394 )

川を見て我思う
その源の遠さを

川を見て我思う
その行く先の広さを

川を見て我思う
その水面の深さを
岩が襲う
なんの変哲もないただの岩が襲う
乾いた世の中を
転げまわり
悪人も善人も
中途半端な人も押しつぶして
我こそ正義と言わんばかりに
岩が襲う
じめじめした関係の中に飛びこみ
あれもこれもぶった切って
雨が降ろうが
雪が降ろうが
泣いてわびても
土下座をしても
容赦なしに
誰もかれもを押しつぶし
好き勝手に暴れまわる
ごつごつした岩が襲う
駐車場もホテルも廃墟も犬小屋も
駅も東屋も消防署も
寿司屋も米屋も荒物屋も
僕の幸せも君の悲しみも
一切合際を襲い潰しにかかる
岩が襲う
今すぐ襲う
岩が襲う
迷わず襲う
遠くへ過ぎ去ったかと思えば
またこちらに向かってくる
波を蹴散らし
霧を巻きこんで
逃げ惑う人々の上を通りすぎ
何もなかったかのように過ぎ去ってゆく
岩が襲う
いつでも襲う
大きな声で
●※■|…◎▽×√★∵と叫びながら
この世のありとあらゆるものに挑みかけるよう
実に豪快に襲ってくる


初稿:2005年10月
歌に耳を塞ぎ 聞こえないふりをしてみても
その馴染んだメロディが頭の中で甦ってくるだけ
歌に耳を塞ぎ 思い出から逃げてみたとしても
思い出以上のものを棄てようとした罪悪感に苛まされるだけ
今宵三日月に
金星が近づき
かの異国の旗が
夜空に大きく浮かんでいます
オッス オラ水の泡
水から生まれたサラサラ系だ
みんなはオラのことを空しい結末の例えで呼ぶけど
オラは空しくなんかないぞ
オラだって頑張って水面にへばり着いてるんだ
消えても消えてもまた現れる
不死身というのはオラのことを言うんだ

大事なデータが入ったCD-ROMが壊れたら
オラを思い出してくれ
手間ひまかけて下ごしらえした食材を焦がしたら
オラを思い出してくれ
せっかく収穫したキュウリがぜんぶしなびたら
オラを思い出してくれ
用意周到下見までしたデートの予定が
当日雨でお流れになったら
オラを思い出してくれ
せっかく撮った写真のフィルムが感光したら
オラを思い出してくれ
リーディングの晴れ舞台に立ったとき
原稿を忘れたことに気づいたら
原稿の中身よりも
オラを思い出してくれ
半年かゝった地道な営業が
最後のプレゼンで失敗に終わったら
オラを思い出してくれ
半日近くエクソサイズで汗を流した後
うっかり焼き肉なんて食べちゃったら
真っ先にオラを思い出してくれ
オラ もっともっとみんなに思い出してもらいたいぞ
そのために今だって一生懸命
水面の上で頑張ってるんだ
オッス オラ 水の泡
人は空しい結末を迎えたとき
オラのことを思い出すべきなんだ
サブリミナル・オキナワン・ダイアグラム
月ぬ美しゃ うちなあ サンシン
ちゅら島の波の散り散り

サブリミナル・マンハッタン
トゥーランドットの青色の雨 しっとりとアスファルトを濡らす
黄色いタクシーのテールライト

サブリミナル・ラオ・ライライ
裏路地の犬と少年 古い紙幣でメンコをし
ガジュマルの木にたわゝに実る未来

サブリミナル・軍事境界線
ヨロブン・ハナル・アボジ・マンセー
テポドン・ハヌル・ノピ

サブリミナル・エドヴァルト・ムンク
重なる太い線 虚ろな目 歪む空間
曇天のオスロの郊外で夢を見る

サブリミナル・デューク・エリントン
砂漠の熱風と異国情緒は難解すぎ
A列車でハーレムや北千住に行こう

サブリミナル・深夜特急
緊張したトルコのパザムクレに続く道
ゲートの向こうにEUの旗

飽きもせぬサブリミナルの断片走査線上
打ち拉がれる色彩と意味
傷つかぬように… 傷つけぬように
されど追っ手は風のように去り
無数のかすり傷から色のない血が流れる

26時の旗手はすでに刈り入れを終えてしまったが
堂々巡りの雑貨店にマンホールの日影は落ち
赤提灯揺れる脱線現場の鬱積がそこにはもう
蝶のように舞い飛んでいた時刻表の文字盤
あるいは送迎の途中コンサートマスターが
乳母車の三角定規の三点を慶寿の呪いに
祝詞を急がせすぎたのが功を奏した


*2006年7月 現代詩フォーラム突発即興詩会第2ラウンド作品に手を加えたもの
  お題は焼石二水氏からいただいた

君があまりの痛みに涙を流すとき
僕の目を見て欲しい 君の涙を乾かしてあげよう
そして話し合おう 膨らんでいく僕らの未来を
笑ってごらん その手を握ってあげるから

世の中は僕らに言葉をくれないが
悲しみに打ちひしがれ後ろ向きにはなれない
美しい明日がきっと来る
青い空のような夢
嬉しかった思い出
僕らの愛

暗かった日々 痛い記憶 全てを
もう忘れよう 清々しい笑顔で
近づいてくる明日と僕らの小さな夢
君の心に隠れた物語

いくら辛いと言ってみても
君と僕の青い空のような世界はやって来る

世の中は僕らに言葉をくれないが
悲しみに打ちひしがれ後ろ向きにはなれない
美しい明日がきっと来る
青い空のような夢
嬉しかった思い出
僕らの愛

暗かった日々 痛い記憶 全てを
もう忘れよう 清々しい笑顔で
近づいてくる明日と僕らの小さな夢
君の心に隠れた物語



      原詩:「그대가 너무 많은...」  キム・ドンリュル(金同率)
 

기억하고 있어 (キオカゴ イッソ)
기억하고 있어 (キオカゴ イッソ)

우리의 꿈  (ウリウィ クム)  
그 날의 꿈  (ク ナリ クム)

돌아가지 않는 날들 (トラカジ アヌン ナルドゥル)
아름다운 날들    (アルムダウン ナルドゥル)

사라질리가 없다 (サラジルリ オプタ)
동경 희망사랑   (トンギョン フィマン サラン)

기억하고 있어 (キオカゴ イッソ)
기억하고 있어 (キオカゴ イッソ)


覚えていて
覚えていて

僕らの夢
あの日の夢

帰らぬ日々
美しき日々

消えることのない
あこがれ 希望 愛

覚えていて
覚えていて
 一番札所霊山寺

◆先達が団体を引き連れてやって来た
 独りで遍路支度をする

◆池端の大師堂に先に行く
 今自分が本堂を出たばかり

◆今日も暑くなりそうだ
 先のことなどまだ考えに及ばない

このシリーズについて>>
湖畔から
冷たい風が吹いていた
秋の風が
シルエットだけになり
揺れていた

対岸の灯りが
水面にも揺れていた
ちらりちらりと
冷たい風の中
揺れていた

湖畔には
誰かゞ忘れた
思い出も揺れていた
行き場もなく
揺れていた