2004年 08月 21日
【詩】『夏の幻想 32』
自転車をこいで海岸まで出ると
波が高くなっていることに気づく
先月の今頃来たときには
服を着たまゝ泳げたのに
海月が近づいて
泳ぐのは危険になった
海は表情を変えていた
ちょっと見ない間に
夏が形を変えていた
海沿いの道路を
そのまゝ鎌倉まで走り
路地裏の駄菓子屋で
アイスキャンディーを食べて
家まで戻った
泳げなかった悔しさよりも
夏が姿を変えた寂しさに
胸が詰まりそうになっていた
by fibich
| 2004-08-21 10:49
| 詩