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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

坂東巡礼日記 一日目

七月十一日土曜日、坂東三十三カ所を打ち始める。発心寺は地元鎌倉の杉本寺。この日は鎌倉の3つの札所を巡るために車よりは公共交通機関を利用した方がいいと思い車を置いて電車で鎌倉へ。鎌倉からバスに乗って杉本寺へと向かった。

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杉本観音と呼ばれて親しまれているこのお寺は僕の好きな寺の一つ。正面から階段を上がると途中から先は苔むして進めない。昔からの石段は多くの参拝者に踏まれてデコボコになっているのだ。左脇の階段から本堂へ向かう。まずは巡礼の支度である。

先にも書いたように四国遍路で使ったもののうち、使い回しができるものは家から持ってきた。持ってきたのは線香、持鈴(これは特に必要はないが)、数珠である。杉本寺では坂東専用の納経帳、納め札とろうそくを買い求めた。早速納め札を書き、本尊前で読経。本尊は十一面観音。御朱印をいただこうとすると奥に入ってお参りをしてくださいと言われたので遠慮なく中に入りお参りをする。この時は発心寺ということもあったので観音経はしっかりと長いものを唱える。

御朱印は納経帳にいただくと300円、お姿をいただくのに100円必要だ。四国の場合はお姿はタダなんだけど。

こうして一番寺を打ち終えると一度鎌倉駅にバスで戻って駅前の行きつけトルコ料理店でランチを食べる。次は三番札所安養院。ちなみに二番札所は逗子にあるのでこの日は飛ばして三番に向かった。

安養院は鎌倉の駅から大町方面へ歩いて行ける距離にある。15分ほど歩くと到着。途中大町では神社でお祭りもやっていて梅雨空ながらも夏なんだなとつくづく感じるものだった。

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安養院はこぢんまりとした小さな寺、山門で拝観料100円を払って中に入り、早速お参りをする。中では同じように坂東を打っているらしき人もいた。お堂の裏には北条政子のものと言われる墓もあり地味ながらも見所はちゃんとあるのだ。一番、三番ともに静かでいかにも町寺という佇まいがなかなか良い。お寺はこういった静けさの中で何かしらを感じたりあれこれと時代の深さを想像するところに楽しみがあり、それは外国で古い教会やモスクを見ても同じ事が楽しみである。

再び歩いて鎌倉駅まで戻り、次の四番札所長谷寺に向かうために江ノ電に乗る。鎌倉では有名な観光スポットでもある長谷寺が坂東の札所でもあるのだ。長谷寺はもちろん初めてではない、おまけにこの寺は有名な観光地なのでものすごい人、人、人、ガイジンさんもたくさん来ており遠い日本で自分の神様を忘れて観音様をお参りするのである。

さすがに長谷寺のあの大きな観音を前に読経をするのは度胸の要ること。とにかく人の行き来が激しい中でじっと立ち止まりお経を読むというのは気を遣うものだ。しかしちゃんと納経所はあって他のお寺同様御朱印もいただける。長谷寺は拝観料300円払うが、中には見所もいっぱいあるのでお参りを終え御朱印をいただいたらあとは観光客衆生に戻って美しい境内を楽しむ。

この日はこの三ヶ寺でおしまい。再び江ノ電に乗って鎌倉駅前までもどるとちょっと小腹が空いたので食事をしてお茶を飲み、帰りは地元大船を散策してこの日を終える。帰ってきて納経帳を見るのもまた楽しいものである。
by fibich | 2009-07-14 18:05 | 旅の話

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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