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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

遍路日記2007(46)

8月9日(九日目)八十一番白峯寺~八十三番一宮寺

八十番国分寺を打つと俄然結願が目前に見え始めてくる。それは自分の感覚で言えば七十五番の善通寺辺りでは感じなかった実感に似たものを感じ始めてくるのである。そして八十一番以降ぐっと高松に近くなってくる。八十一番からは高松郊外にある五色台付近の高台に入る。

八十番国分寺から八十一番白峯寺までは約13.5キロ。元来た道を戻って隣の鴨川駅近辺から県道180号線に入る。あとは標識に導かれるままに進めば山登りに入る。つづら折りの道を延々と走っていくとやがて左手に道が分かれる場所があるのでそちらに進むと白峯寺はすぐ。

山門脇にバイクを駐めて中に進む。長い石段の先に本堂と大師堂が待ちかまえているのだが、この石段途中にはいくつかのお堂があって干支に合わせてお参りする場所が決まっている。山の中にあることもあってか緑が非常に多い。本尊は千手観世音菩薩。天皇寺ゆかりの崇徳天皇の墓はこの白峯寺にある。この周辺で団体様御一行は勘弁だなと思っていたのだが心配をよそに団体様御一行はやって来なかった。時間は12時を回った頃で実にのんびりとしていた。僕の他に歩きらしき遍路が数名いた程度である。

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八十一番札所白峯寺本堂


お参りを済ませるとバイクを駐めてあるところまで戻り、そこで簡単に昼食をとる。昼食何だか遅い朝食なんだかわからない食事。のんびりと一服して次の根香寺に向かう。

五色台というのは色の名前がついた山が5つあるから五色台と言うらしく。白峯寺は白と言うことになる。次の根香寺は山号が青峰山といいこれは青と言うことになる。五色台を東西に延びる県道180号線をさらに上り、猪尻山、大平山と2つの山を越えて下りの道の途中に根香寺がある。白峯寺から根香寺までの距離は約8キロ。

山門の前に駐車場があり、そこにバイクを駐めると山門をくぐる。この根香寺は山門をくぐると一度石段を下り平らな参道を進むと今度は上りの石段がある。この石段の間にはさまれた参道がとても好きである。去年放映されたNHKドラマ、「ウォーカーズ」でもこの場所がロケ地として利用され、わりと重要なシーンに登場している。今年もこの参道は緑に覆われていた。実に美しい場所である。

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八十二番札所根香寺の参道


石段を上がるとそこで道が分かれ、真っ直ぐ行くと更に石段が待ちかまえている。この先に本堂がある。分かれ道を右に行くと大師堂がある。本堂も珍しい作りで入口と本堂の間に回廊があり、左側から進んでいく。回廊には夥しい数の地蔵が祀られている。本尊は千手観世音菩薩。本堂、大師堂と順にお参りすると再び山門へと戻る。根香寺はこの珍しい本堂と美しい参道があるので好きな寺の一つでもある。

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八十二番札所根香寺本堂


再びバイクに乗り込むと次は八十三番の一宮寺。正直なところ去年の八十八カ所順礼の中でこの一宮寺が一番印象の薄い場所でもあった。位置的にもいよいよ高松市の中心へと進んでいく。根香寺から一宮寺までの距離は約十八キロ。県道180号線で山を下るとバイパスのような県道に出る。これが県道16号線。この道で一気に香西の付近まで出る。あとは案内標識に従って走れば一宮寺までたどり着ける。香西から南下を始め、高松市の南に位置する。

去年は印象が薄かったのでこの寺ではしっかりとお参りしようと決めていた。また、この寺を打ったら一度予約してあるホテルへ行き、荷物を軽くしてからこの先を打とうと考えていた。一宮寺に着いたのがだいたい2時半くらいだっただろう。山門前に駐車場があり、駐車場の脇には接骨院があった。歩きの人を相手に商売も出来るなかなかいいアイデアだなとも思った。

山門、というか通用門を入ると左奥に本堂があり、本堂から見て右脇に大師堂があった。(と思う、やっぱり印象薄い)本尊は聖観世音菩薩。いかにも町寺らしいこぢんまりとした作りでお参りに時間もかからない。時間がかからないからこそ印象が薄いのだろう。今回はひと寺5枚以上は写真を撮ることを心がけてはいたので写真は残っているのだが、残った写真だけで寺の作りまでは思い出せない。

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八十三番札所一宮寺御本尊


これまでに数か寺で神仏分離の話をしたのだが、この一宮寺もまた讃岐田村神社の別当寺として建立され、後に別当職を免除されたという経緯がある。当然明治の神仏分離以前の話ではあるのだが、元を辿ると神社なのだ。

一宮寺を打ち終えると時間は3時になろうとしていた。ホテルのチェックインが3時だったので念のため連絡を入れ高松市内へ。市内にはいるとぐっと都会になり車の往来も増えてくる。この日の宿は高松国際ホテル。国際ホテルなんて名前がありながらも一泊3900円と安い。ただし別館一階の部屋。

香川県庁横から牟礼方面へ続く観光通を進むとやがて右手にホテルが見えてくる。これまでに泊まったホテルの中でも一番立派。バイクを駐めてチェックインをすると荷物が多いと言うことで別の部屋に案内してくれた。部屋はツインで広々としていてエアコンもよく効いていた。荷物を解いてちょっとベットの上に横になると寝てしまいそうなくらいに快適、それと同時にそれだけ疲れているということでもある。寝てはいけないのでシャワーだけ浴びて再びバイクにのって次の八十四番屋島寺へと向かった。■

つづく
by fibich | 2007-12-12 23:29 | ライダー日記

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by 遊羽(なめタン)
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