2007年 10月 05日
遍路日記2007(28)
8月6日(六日目) 四十五番岩屋寺
四十五番岩屋寺で長澤さんと待ち合わせをするとすぐに岩屋の坂を上り始める。この岩屋寺は駐車場から800メートルほどの上り坂を延々と上っていく。去年も書いたと思うが人生にも喩えられるこの岩屋の上り、去年も息も絶え絶え上っていったが今年もこのイベントがやって来た。
最初からこの上り坂はきつい。門前の店がいくつか建ち並んでいるが健康食品のお土産が目立つ。もとよりここでこれから急な上りをイヤと言うほど歩かされるのにお土産など持つ気にもならない。じっくり見るなら戻ってきたときだ。しばらく上りのきつい勾配にさらには所々石段も登場する。やがて山門が見えてくるのでくぐり抜ける。山門には「海岸山」と書かれている。海から遠く離れたこの場所の山号がどうして海岸なのか疑問にも思うが、弘法の御詠歌にこの山のことを谷の朝霧が海にも似ていると詠んでいるところから海岸山と名が付いたという説がある。
岩屋の上り、二度目ともなるとブルーになる
山門の先も上り坂は延々と続く。しかし木々が鬱蒼と茂り暑さはそれほど感じられない。左手には夥しい数の地蔵が立っており、いかにもお寺だなというリアリティを強く感じる。長澤さんも僕も同じようなペースで口数少なく上る。つづら折りの上り坂を何度となく歩くとようやく頭上に伽藍が見えてくる。
最後の石段を上ると水屋があり、右手に納経所が見えてくる。本堂はそこからさらに上がった所にあり、その奥には大師堂がある。本尊は不動明王。この山自体が本尊ということにもなっている。また本堂にある不動明王は絶対秘仏で弘法がこの像を刻んだときからご開帳はないらしい。
これだけの上り坂を上ってやって来るのだから有り難みを感じないわけはない。手を清め鐘を撞き一つ一つを丁寧に行った。納経所に戻ると団体様はいないのだが一人で幾つも納経帳を持ち込む人がいたのでちょっと待たされる。去年はこういう人にもイライラしていたものだが、静かに座って待っていた。
四十五番札所岩屋寺本堂
帰りも長澤さんと一緒に元来た800メートルの道を下っていった。下るだけでも時間がかかる。とにかくこの岩屋寺は時間がかかるのである。下の駐車場のバイクに戻ったのが12時半過ぎくらい。次はいよいよ松山市内に入る。長澤さんは先に出発。僕も後を追うようにバイクを走らせた。この久万高原にある二寺はとにかく印象強い。それはこの久万高原が夏場でも高台にあってそれほど暑さを感じさせないからなのではないだろうか。
最後に久万高原で給油をする。■
5:宿毛~久万高原
区間距離:194.3キロ (総走行距離:1099.6キロ)
区間燃費:21.35キロ (トータル燃費:21.93キロ)
つづく
四十五番岩屋寺で長澤さんと待ち合わせをするとすぐに岩屋の坂を上り始める。この岩屋寺は駐車場から800メートルほどの上り坂を延々と上っていく。去年も書いたと思うが人生にも喩えられるこの岩屋の上り、去年も息も絶え絶え上っていったが今年もこのイベントがやって来た。
最初からこの上り坂はきつい。門前の店がいくつか建ち並んでいるが健康食品のお土産が目立つ。もとよりここでこれから急な上りをイヤと言うほど歩かされるのにお土産など持つ気にもならない。じっくり見るなら戻ってきたときだ。しばらく上りのきつい勾配にさらには所々石段も登場する。やがて山門が見えてくるのでくぐり抜ける。山門には「海岸山」と書かれている。海から遠く離れたこの場所の山号がどうして海岸なのか疑問にも思うが、弘法の御詠歌にこの山のことを谷の朝霧が海にも似ていると詠んでいるところから海岸山と名が付いたという説がある。
山門の先も上り坂は延々と続く。しかし木々が鬱蒼と茂り暑さはそれほど感じられない。左手には夥しい数の地蔵が立っており、いかにもお寺だなというリアリティを強く感じる。長澤さんも僕も同じようなペースで口数少なく上る。つづら折りの上り坂を何度となく歩くとようやく頭上に伽藍が見えてくる。
最後の石段を上ると水屋があり、右手に納経所が見えてくる。本堂はそこからさらに上がった所にあり、その奥には大師堂がある。本尊は不動明王。この山自体が本尊ということにもなっている。また本堂にある不動明王は絶対秘仏で弘法がこの像を刻んだときからご開帳はないらしい。
これだけの上り坂を上ってやって来るのだから有り難みを感じないわけはない。手を清め鐘を撞き一つ一つを丁寧に行った。納経所に戻ると団体様はいないのだが一人で幾つも納経帳を持ち込む人がいたのでちょっと待たされる。去年はこういう人にもイライラしていたものだが、静かに座って待っていた。
帰りも長澤さんと一緒に元来た800メートルの道を下っていった。下るだけでも時間がかかる。とにかくこの岩屋寺は時間がかかるのである。下の駐車場のバイクに戻ったのが12時半過ぎくらい。次はいよいよ松山市内に入る。長澤さんは先に出発。僕も後を追うようにバイクを走らせた。この久万高原にある二寺はとにかく印象強い。それはこの久万高原が夏場でも高台にあってそれほど暑さを感じさせないからなのではないだろうか。
最後に久万高原で給油をする。■
5:宿毛~久万高原
区間距離:194.3キロ (総走行距離:1099.6キロ)
区間燃費:21.35キロ (トータル燃費:21.93キロ)
つづく
by fibich
| 2007-10-05 17:20
| ライダー日記