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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『桜桃忌』

【詩】『桜桃忌』_a0004070_25259.jpg
夏至も過ぎた頃の朝
まだ草木は露に輝き
ひんやりとした朝の風に
一日の始まりを知る頃
届かなくなった便りだの
見ることのなくなった笑顔だの
いっぺんに思い出しては
時の移ろいを感じる

あの頃ちょっと惹かれていた
気持ちだの思いだの
今になると
とても珍しい感覚に思える
若かった頃と同じようなときめきが
まだ何処かに残っていたのも
わずかの時間の間に
埋もれて消えていった
一途な夢は時に罪なほど
僕を行き場のないところへ追いつめる

目覚め始めた朝の空気に
否応なしに夏の訪れを知る
この夏もまた 一人きり
行方知れずの夢ばかりが
まだかまだかと
背中で呼びかけています
気づかぬふりをした僕は
目の前の夏から
目をそらしていました
今日も良い天気になりそうな
桜桃忌の朝

画像提供:くうさん
by fibich | 2004-06-28 02:54 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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