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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

高野山旅行記(終)

高野山旅行記最終回です。なんとか今年のうちに更新ができそうです。

奥の院参りを終え、宿坊の恵光院に戻ると荷物を受け取ってすぐに出発。
高野山口駅へ向かうバスは程なくやって来て接続は良かった方だ。
ケーブルカーで極楽橋に戻り、橋本へと戻る。高度が下がると気温も
暖かくなってきた。

しかし橋本では目の前で奈良行きの電車が出てしまい、1時間待たされる
落とし穴。この1時間がまさに天国から地獄へのターニングポイントだ。
この日の予定は当初奈良の薬師寺に行き、その後京都に戻り
京都か大阪をふらふら歩き回って美味しいものを買い、551でもおみやげに
するか。または551を先に買って湖西線で高島方面に行こうと考えていた。
職場のバイトに実家が旧マキノ出身の人がいて、マキノの話を聞いていた
ので、どんな所かちょっと見てそのまま敦賀へ行っても良いかなと
考えていた。

しかし現実は厳しかった。その日の晩に乗るつもりだった「ムーンライトながら」
の指定席を押さえていなかった。そしてその指定席が満席で手に入らなかった
のである。

ムーンライトながらの代替になるようなものはなく、あとは大阪を深夜に
出発する「サンライズ」という特急がある程度だ。サンライズで大阪から
横浜まで帰れば1万円少々かかる。しかしそれくらい払っても奈良には
行きたかった。ところがそのサンライズまでもが満席だった。

こうなると当日中に戻るより他無い。時刻表を調べると次のような経路が
残されていた。

橋本13時5分発 → 奈良14時53分着 15時9分発
京都15時56分着 16時ちょうど発 → 米原16時50分着 17時14分発
豊橋19時15分着 19時17分発 → 浜松19時53分着 19時55分発
静岡21時7分着 21時14分発 → 熱海22時30分着 22時34分発
大船23時36分着

これを見ただけでもうんざりだ。しかも大船で帰りのバスがなくタクシーに乗って
帰るしかない。それでもまあ当日中(要するに次の日のきっぷを使わずに)
帰ってこられる。

あきらめて橋本から奈良行きの電車に乗り、奈良へ向かう間電車の中で
w-zero3(ウィルコムの端末)を使ってネットで他のルートを検索してみた。
結果として奈良の手前の桜井から近鉄を使うことで名古屋まで早く行ける
ことを発見。近鉄の運賃と特急料金はかかってしまうがこっちの方が楽である。
というのは上の行程表通りに行くと米原駅以外の乗換時間は10分以下。
こうなると乗換時にトイレにも行けず、乗った列車にトイレがないということが
豊橋~熱海の間ではよくある事なので非常にきつかった。

こうして桜井駅で降りると30分ほどの接続でまずは名張まで行き、
名張から名古屋行きの特急、「アーバンライナー」に乗る。

横浜に住んでいる僕にとってこんな列車の存在はもちろん知るよしもないが
バンピングの激しい和歌山線のおんぼろ電車にくらべるとアーバンライナーの
2時間ほどの旅は非常に快適だったことは言うまでもない。

名古屋に到着してから次のJRの列車までは30分ほどのゆとりを見ていたのだが、
近鉄名古屋はJR名古屋の真下にホームがあり、乗換口を利用するとあっという間
にJRに出られる。すると乗る予定だった列車の2本前の列車がホームにいたので
それに乗ることにした。これに乗って豊橋、浜松で乗り換えると静岡には20時
ちょうどに着く。その先も乗換を続けると大船からまだバスに乗って帰れる
のである。こうして名古屋の実質滞在時間はたったの7分だった。

あとは豊橋、浜松、静岡、熱海で乗換を繰り返し大船に着いたのが22時43分の
事だった。その間の事もちょっと書くがとにかく電車があまり良くない。

名古屋から豊橋までは新快速の新しい車両で快適だった。とにかく長距離
移動するのであれば座席はボックスシートに限る。豊橋から浜松までも
昔横浜でも走っていた湘南電車型の電車で、これはボックスシート。ところが
浜松から静岡までは以前車内からも書き込みしたようにロングシートの要するに
山手線型のシートだった。静岡から熱海までは浜松まで乗ってきたのと
同じ湘南電車。そして熱海からは見慣れた最新の東海道線の車両だった。
こういった列車には形式の番号があるのだが、僕は鉄ちゃんでもないので
どれがどれだか全くわからない。まあお読みいただいている方もおそらくは
同じであろうから形式の番号で書いたって結局意味のない事だが、わかって
いればもっと簡潔に文章が書けたに違いない。

以前青春18きっぷで北海道まで行ったとき、ずっとJR東日本の管轄内だった
のだが、JR東日本は山手線型シートがお好きらしく東京から青森までずっと
ロングシート列車に乗せられてうんざりした思い出がある。西に行くとJR東海や
西日本は近郊型の比較的距離を走る列車はみんなクロスシートの列車だ。
乗客の扱いに対する姿勢が東日本と東海、西日本では大違いで東日本は
まだまだ乗客を「乗せてやる」という態度なんだなとつくづく思うのだった。

こうして地獄の移動が終わり帰宅をするともうあとは何もしたくなくなるほどに
疲れ切っていた。その疲れは翌日からの仕事にまで引きずられたのは
言うまでもない。

今回高野山という特別な場所に行けたことはとてもうれしく思っている。そして
おそらく高野山のような場所の良さは今の自分だからわかるのであり、昔の
自分には全然その良さもわからなかったのではないかと思う。こうして
あらためて日本を見つめ直すのも楽しいものだ。若いころに1度2度行った
だけの場所は日本中にあるが、それをもう一度訪れてみたり、まだ行った
事のない場所をこれからも訪れたいものなのだが… なにせ時間がないな。
でも高野山だけでも行けて良かった。
by fibich | 2006-12-31 19:15 | 旅の話

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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