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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】サブリミナル (remix)

サブリミナル・オキナワン・ダイアグラム
月ぬ美しゃ うちなあ サンシン
ちゅら島の波の散り散り

サブリミナル・マンハッタン
トゥーランドットの青色の雨 しっとりとアスファルトを濡らす
黄色いタクシーのテールライト

サブリミナル・ラオ・ライライ
裏路地の犬と少年 古い紙幣でメンコをし
ガジュマルの木にたわゝに実る未来

サブリミナル・軍事境界線
ヨロブン・ハナル・アボジ・マンセー
テポドン・ハヌル・ノピ

サブリミナル・エドヴァルト・ムンク
重なる太い線 虚ろな目 歪む空間
曇天のオスロの郊外で夢を見る

サブリミナル・デューク・エリントン
砂漠の熱風と異国情緒は難解すぎ
A列車でハーレムや北千住に行こう

サブリミナル・深夜特急
緊張したトルコのパザムクレに続く道
ゲートの向こうにEUの旗

飽きもせぬサブリミナルの断片走査線上
打ち拉がれる色彩と意味
傷つかぬように… 傷つけぬように
されど追っ手は風のように去り
無数のかすり傷から色のない血が流れる

26時の旗手はすでに刈り入れを終えてしまったが
堂々巡りの雑貨店にマンホールの日影は落ち
赤提灯揺れる脱線現場の鬱積がそこにはもう
蝶のように舞い飛んでいた時刻表の文字盤
あるいは送迎の途中コンサートマスターが
乳母車の三角定規の三点を慶寿の呪いに
祝詞を急がせすぎたのが功を奏した


*2006年7月 現代詩フォーラム突発即興詩会第2ラウンド作品に手を加えたもの
  お題は焼石二水氏からいただいた

by fibich | 2006-11-29 02:47 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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