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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『水の底の花』

水の底
一輪の花が咲いている
届く光も乏しく
凍り付いて色褪せたように
一輪の花は
水の底でじっと咲き続けている

誰がこの花に名前を付けようか
誰がこの花を摘み取ろうか
答えにならぬ疑問が水面の上で
波紋を広げながら
水の底の花はそれにも気づかず
ただじっと咲き続けている

波紋に歪められた姿は
やがて元の形へと整い
何事もなかったかのように
水面は再び水の底の花の姿を写す
冷たい水の中の花は
一瞬のため息のように色を取り戻す



by fibich | 2005-11-06 22:04 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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