ブログトップ | ログイン

幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

年末紀州旅行 ~南紀

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_23022885.jpg
【2016年12月24日(土)】

 南紀白浜「犬御殿」は朝食つきだったのでわんこを連れて(ここが他の宿とは違う)レストランに入る。他の客ももちろんわんこ連れ。こんな宿がもっといろんな場所にあるといいのになと思った。

 この宿の6階はフリールームといってここでだけ喫煙が許されているのだが、ベランダあるので外に出てみるときれいな白良浜海岸が一望できる。また適当に広いのでわんこを遊ばせる事だってできる。

 このベランダの反対側にもベランダがあり、そこはドッグランとして利用できる。どちらであそばせても良いのだが朝のうちは海側が西で日陰になり冬場はちょっと寒い。そのかわり眺めは抜群。東側は日当たりは良いが眺めはどちらでもいいというのが本音だ。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_23545350.jpg
◆「犬御殿」から見た白良浜海岸

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_23562376.jpg
◆陽の当たる側のドッグランで

 この後チェックアウト前に外にあるドッグランでも遊ばせてみた。こちらは芝生のドッグランだった。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_23561821.jpg
年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_23562245.jpg
◆やっぱりドッグランは嬉しいのだろう

 実は最初のベランダがわんこは一番気に入っていた様子で特にエルマとラーレがいつまでも追いかけっこをしていた。

 この日の予定は串本を通過して紀伊半島東側を北上し、この日の宿である伊勢二見の「まつしん」を目指すことだった。その間の予定は全く入れておらず、一日中車で走るのだろうと思っていた。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_00384370.jpg
◆南紀白浜「犬御殿」 また来たいね

 チェックアウトをするときに目の前にある白良浜海岸がわんこ禁止なのでわんこと行ける砂浜はないかと宿のオーナーさんに聞いてみると、宿からちょっと北にある円月島付近に砂浜があるということで早速行ってみる。ところが思ったほどのビーチでもなく(それはあんなきれいな砂浜を目の前にしていたらどんな場所でも見劣りはしてしまう)それよりも円月島があまりにも見事だったのでそれをバックに記念撮影。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_00035149.jpg
◆円月島をバックに

 写真を撮り終わるといよいよ白浜を離れて南下。つい最近できたと思われる自動車道路をひたすら走って次に立ち寄ったのが周参見にある道の駅だった。ここで珍しいうつぼの乾物のおつまみと和歌山県といったら何と言っても梅干しなのでそれをお土産に買う。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_00104113.jpg
◆和歌山といえば南高梅

 こんなネーミング一発で買ってしまったお土産だが、南高梅といったら高級品なのにそれが途中でつぶれてしまうととたんに値段が安くなる。そんな「つぶれ梅」のお土産が多い。品質はつぶれているだけなので変わらない。何か別のものがつぶれちゃったようなイラストもなかなか。何がつぶれたのかは敢えて書かないが(もちろん梅なのだが)話のネタにはいいかも。

 周参見を出るといよいよ次は串本だが、ここで助手席のママが串本といったら昔トルコのエルトゥールル号が遭難した場所だから海難祈念碑もここじゃなかったっけと言い出したのでそれじゃあ祈念碑を見に行こうということになった。と言うのも我が家は一昨年(もう一昨年なのか)の12月にこのエルトゥールル号遭難を題材にした映画「海難1890」を観ているので殊更関心もあった。

 この祈念碑があるのは紀伊大島という紀伊半島の突端の東側にある島の東端、樫野崎だ。エルトゥールル号遭難に関して簡単に書くが、かつてオスマン・トルコから明治天皇謁見のためにやって来た軍艦エルトゥールル号が日本を出航した直後に台風に襲われてこの樫野崎沖で遭難をした際に地元の人が救出したという話。もちろん大半は亡くなってしまったが命がけの救出と手厚い看護で50名近くの命が救われ、無事に帰国をすることができた。日本ではそれほど知られていない事実がトルコでは美談となり語り継がれ、今でも誰もが小学校で習うということもありトルコが親日国になっている理由でもある。

 ここでこのブログには書いておくが、よくトルコが親日国である理由は宿敵ロシアを倒したからだという人もいる。確かにそれもあるのだろうがやっぱりその基底となっているのはこのエルトゥ-ルル号事件があるからだと思っている。というのは先の映画でも後半登場するが、後にイラン・イラク戦争の際、あのサダム・フセインが領空防衛のために飛行する物体は無差別に撃墜するという宣言を出し、多くの日本人がイランに取り残されたときにトルコ航空だけが日本人を救うために飛行機を出し、現地のトルコ人も日本人のために座席を譲ったというこちらもまた日本人はあまり知らない美談がある。単に戦争でロシアを倒しただけだったらここまで日本人のために尽くしてはくれなかっただろう。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_00412332.jpg
◆ということでやって来ました海難祈念碑

 今でも5年に1度慰霊法要がこの祈念碑の前で行われ、前回は2015年だった。その様子はテレビでも観たので1度は来てみたかった。

 樫野崎へ続く道路は途中で駐車場になり、その先は一般の車は通れない。ここから先は歩いて行くことになるが緩やかな下り坂を下る途中にお土産屋があり、トルコのお土産などが売られていた。通りの案内標識は日本語とトルコ語で書かれていて、日本にいながらも非常にトルコを感じる場所だ。緩やかな坂の終わりのあたりにトルコ記念館もあったのだが、わんこ連れということもあって中には入れなかった(今考えると勿体ないことをした)そこからしばらく歩いて橋を渡ると今度は緩やかな上り坂が始まり、祈念碑があり、さらにその先にはケマル・アタチュルク(近代トルコ初代大統領)の像がある。日本にもアタチュルクの像が、それもかなりでかい像があったとは驚きである。そして道の終わりには樫野崎灯台があった。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_00412307.jpg
◆トルコ記念館の前で

 
年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_00491130.jpg
◆ケマル・アタチュルクの像

 この像の碑にはアタチュルクが残した「国に平和を 世界に平和を」という言葉が刻まれている。この言葉(トルコ語では"Yurtta Sulh Cihanda Sulu")はトルコに行くと至る所でアタチュルクの肖像とともに目にすることができる。ギリシャの干渉から国を開放し、ヨーロッパよりも先に近代国家を建設し、女性参政や政教分離を成し遂げた人物なのだが、いかんせん日本ではまだまだ知っている人は少ないように思える。

 灯台から戻るときに橋のすぐ脇にトルコ人が経営するお店があって絨毯やクッションカバーなどを売っていた。ちょっと立ち寄るとすぐにわんこの話になり、実はこの三頭とも名前はトルコ語から取ったという話をしたらすぐに名前を覚えてくれた。

 いつも申し訳ないと思うことだがよくわんこの名前を聞かれても難しいのか覚えてもらえないことが多く、特にエルマやラーレなんていう響きは殊更覚えにくいんじゃないかなと思うことがあるのだが、相手がトルコ人だと即座に名前を覚えてもらえる。そんなときああやっぱりこの子達の名前はトルコ語なんだなと改めて思うのだ。

 因みにチャイは「お茶」(トルコなので紅茶のこと。トルコにいたときは一日に何杯飲んでいたか思い出せない)エルマは「りんご」、そしてラーレは「チューリップ」(トルコの国花)である。お土産屋の人はこれがちょっと嬉しかったのか、クッションカバーを買ったときにだいぶおまけをしてくれた。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_00491376.jpg
◆樫野崎から見た海

 どうして我が家がこれほどまでにトルコが好きなのかというと、それは単純な理由で新婚旅行にトルコへ行ったからだ。それ以前にも僕は3度トルコに行っていて結婚して新婚旅行は絶対にトルコに行くと決めていた。

 しかしここでかなりゆっくりしすぎたのでこの先のスケジュールが大変だった。まずのんびりと昼ご飯を食べることはできなくなり、どこかコンビニ以外の場所で何かを買って食べるということになってしまった。コンビニ以外の場所というのはコンビニで買う食事は便利だけどその土地のものとはちょっと違う。どこででも同じものが食べられる(といっても作っている工場はやっぱり現地ではあるが)からだ。

 手始めにまずは奇岩がそびえる橋杭岩にある道の駅でさんま寿司を買い求める。紀州は変わり種の寿司が多く、柿の葉寿司、さんま寿司ともうひとつめはり寿司というものがあった。残念ながらこの道の駅にはめはり寿司はなかったので橋杭岩をバックに記念撮影をするとすぐに出発。買ったお寿司は運転しながら食べた。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_01123451.jpg
◆橋杭岩をバック…といいたいがよくわからない

 その次が那智にあった道の駅、こちらは目当ての寿司は全くなかったがお弁当を売っていたのでそれを買い求めて食べる。この道の駅はすぐ隣がJRの那智駅で道と鉄道の駅の両方があった(こういう道の駅は珍しいと思う、四国にもあった)。

 さらにその先県境を越えて三重県紀宝町に入ると道の駅うみがめ公園という道の駅でついにめはり寿司を見つけ、それも買ってやっぱり運転しながら食べた。その後熊野までは自動車道路もありペースも上がり、尾鷲からは紀勢自動車道に入り、そのまま伊勢を目指して走り続けた。そんな中でも途中紀北PAで休憩をしここでもお土産を買う(もう食べ物は買わなかった)。

 こうして目的地の伊勢二見に到着したのがほぼ7時半頃。この日の宿「まつしん」はかなりの老舗旅館だったが現在ではわんこと泊まれる宿として名前を売り出している。というのもこの宿には看板犬シェルティが三頭もいていつもロビーで客の接待をしてくれるのだ。

 お部屋に通されると畳敷きの広い部屋で何と言っても古き良き昭和のお宿というような雰囲気たっぷり。これだけでも嬉しくなってくる。ただしここは基本わんこはケージの中なので食事の時だけはケージでおとなしくしてもらった。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_01242814.jpg
◆和室はやっぱりいいなぁ

 そしてすぐに夕食タイム。食事は部屋で食べられるのだがこれまた豪華な料理がそろい踏み。ここに来るまでの間にやれさんま寿司だめはり寿司だとあれこれ食べたがもうちょっと控えておけば良かったと思うくらいだった。

年末紀州旅行 ~南紀_a0004070_01242705.jpg
◆舟盛り出ちゃったらもう喜ぶしかないでしょう

 食事の後はゆっくりお風呂につかって一日の疲れを流す。その頃にはわんこ達も座布団の上やケージの中でぐっすり眠っていた。

 いよいよ明日はお伊勢参りだが、その前に見ておきたいものがあった。それは朝早く起きなければいけないこともあって就寝も早かったのは言うまでもない■

by fibich | 2017-01-08 01:30 | わんこといっしょ

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31