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幻想と日常 ~La Fantazio kaj la Kvotidiano

【詩】『朝の潮まわり』

小さな置き去りの箱を
記憶の光画に写しこむ
薄紅色の季節が来るほんのちょっと前
まだ寒いと口から出てしまう
そんな空気の中

大切な何かを箱に詰め
それをそのまゝ
二度とは取り返せぬ場所へと
捨てゝしまうのではない
けれどもそれを
しまい込むでもない

これから必要なのは
箱に入れた物たちではなく
箱に入れて次の時代へ流した
その事実

今日 僕は新しい僕になります
だからこの小さな箱に昨日までをしまい
その姿だけ
記憶の光画に留めておきます
朝の潮まわり
遠くへとこの箱を流してくれ
そしていつしか
箱を懐かしめる時が来ますよう
by fibich | 2005-01-20 23:57 |

詩と写真の日記

by 遊羽(なめタン)
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