2005年 01月 17日
【詩】『遠い国の歌』
夜が泣いている時
その言葉は
口にしないで
空に星がない時
無理に上を向いて
その歌を歌わないで
海に船が見えない時
そんなに遠くへ
思いを馳せないで
そのレコードを聴いている時
そんなにたくさん
ため息はつかないで
あの国から来た兵士は
そろそろ外套を探して
この街を出て行こうとしている
星がきれいな時
そんなに理屈っぽく
話さないで
高速道路に車が少ない時
ラジオから聞こえる
メロディを口ずさまないで
故郷を思い出すまで
どうかその歌だけは
歌わないで
遠い国へと流れ着く
やせた旅人を
記憶の引き出しへとしまい込まないで
その歌を思い出すまで
賑やかな通りへ
私を連れ出さないで
その顔を思い出すまで
どうか夜の暗さを
忘れないで
この旅が終わるまで
どうかあの人のことを
思い出さないで
この旅が終わるまで
どうかあの人のことを
忘れさせて
月のきれいな夜だから
どうか
遠い国への憧れに乗って
私はまた旅に出るから
どうか
初出:2002年
その言葉は
口にしないで
空に星がない時
無理に上を向いて
その歌を歌わないで
海に船が見えない時
そんなに遠くへ
思いを馳せないで
そのレコードを聴いている時
そんなにたくさん
ため息はつかないで
あの国から来た兵士は
そろそろ外套を探して
この街を出て行こうとしている
星がきれいな時
そんなに理屈っぽく
話さないで
高速道路に車が少ない時
ラジオから聞こえる
メロディを口ずさまないで
故郷を思い出すまで
どうかその歌だけは
歌わないで
遠い国へと流れ着く
やせた旅人を
記憶の引き出しへとしまい込まないで
その歌を思い出すまで
賑やかな通りへ
私を連れ出さないで
その顔を思い出すまで
どうか夜の暗さを
忘れないで
この旅が終わるまで
どうかあの人のことを
思い出さないで
この旅が終わるまで
どうかあの人のことを
忘れさせて
月のきれいな夜だから
どうか
遠い国への憧れに乗って
私はまた旅に出るから
どうか
初出:2002年
by fibich
| 2005-01-17 23:22
| 詩